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首相就任を機に、菅義偉首相の経済人脈が「可視化」された。就任前の官房長官時代に、平日の朝食や休日の昼食などを通じて頻繁に面会して意見を聞いてきた面々だ。携帯電話料金の引き下げや地方銀行再編など、首相が掲げる重点政策を説く人物が多く、菅政権の経済政策の行き先を示す指標として注目が集まっている。
自助、規制改革、携帯値下げ…
マクロ経済を強く意識していたアベノミクスに比べて、菅首相が現段階で掲げる経済政策は、個別の課題に焦点を当てているのが特徴だ。改革の成果が分かりやすい一方、特定のブレーンから影響を受けすぎれば政策にひずみが生じる恐れもあり、経済界は「スガノミクス」の動向を注視している。
首相就任後に最初に面会した財界人として確認されたのは、就任2日後の18日に会った竹中平蔵パソナグループ会長だった。総務相だった竹中氏を副総務相として支えたのが菅氏で、国家戦略特区の導入などの改革で根回しに奔走した間柄だ。首相は総裁選で基本理念を「自助、共助、公助」と説明しており、自己責任と自助努力に基づく競争社会の実現を訴えてきた竹中氏の影響がにじむ。
21日には、金丸恭文フューチャー会長兼社長、新浪剛史サントリーホールディングス社長と面会した。金丸氏は2013年1月~16年7月、首相の諮問機関である規制改革会議の委員を務め、官房長官だった菅氏の後ろ盾を得てJA中央会制度の廃止など農協改革を主導した。官邸関係者は「安倍内閣が取り組んだ規制改革は、ほとんどが菅氏の差配で動いており、金丸氏は名代と言っていい立場だった」と振り返る。
新浪氏は父親が横浜港の荷役に関する仕事をしており、横浜市が地盤の首相と太いパイプを築いてきた。19年5月の経済財政諮問会議では、最低賃金を5%程度も引き上げるよう求める新浪氏に官房長官だった菅氏が同調した。竹中、金丸、新浪の3氏は政府の未来投資会議のメンバーという共通項もある。
首相就任後の面会者の一人は取材に対し「菅さんはああだこう…
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