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「アベノマスク」単価開示求め大学教授が提訴 「政策の妥当性検証」 大阪地裁

国が全世帯に配布した布マスク=大阪市北区で2020年9月27日午後3時45分、服部陽撮影

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 新型コロナウイルス対策で国が配った布マスクを巡り、納入業者との契約単価や発注枚数を開示しないのは違法だとして、上脇博之・神戸学院大教授が28日、国に開示などを求める訴えを大阪地裁に起こした。配布は安倍晋三前首相の肝いりで「アベノマスク」とも呼ばれたが、政策の効果や業者選定の不透明さが批判されてきた。上脇教授は「巨額の公金が使われた政策の妥当性を検証するために開示が必要だ」と訴えている。

提訴後、国が開示した文書を手に記者会見する神戸学院大の上脇博之教授=大阪市内で2020年9月28日午前11時31分、藤河匠撮影

 国は4月以降、総額約260億円をかけて全世帯に2枚ずつマスクを配布。競争入札ではない随意契約で、3業者にマスクの調達を発注した。業者名や業者ごとの契約額は明らかにしているが、単価や枚数は公表していない。世帯向けのほか、妊婦や福祉施設、小中学校などにも配布した。

 上脇教授は4~5月、契約内容などが分かる文書の開示を厚生労働省と文部科学省に請求。国は7~8月、契約書などの一部を開示したが、「今後の価格交渉に支障を及ぼすおそれがある」などとして、単価や発注枚数は開示しなかった。

 上脇教授は訴状で、現在ではマスクが供給過多になっており、国が再び大量のマスクを発注する可能性は低く、単価や枚数が明らかになっても不都合はないと主張。「発注方法や業者選定が適正だったかは国民の関心が高い」として全面開示を求めている。

 厚労省と文科省は取材に対し、「コメントできない」としている。【藤河匠】

開示文書に単価「143円」、黒塗りに不備か

布マスクの単価が143円であることをうかがわせる記述がある開示文書。文部科学省が児童・生徒に配布するために発注した=大阪市北区で2020年9月28日午前11時10分、服部陽撮影

 国が上脇教授に開示した文書の一部には、「アベノマスク」の単価が143円であることをうかがわせる記載がある。ただ、正式な単価や枚数は全て黒塗りで、価格や業者選定の妥当性は検証不可能な状態だ。上脇教授は「安倍政権では公文書の改ざんなどが明らかになった。菅政権も隠蔽(いんぺい)体質を引き継ぐのかが問われる」と指摘している。

 記載があるのは、文科省が開示した「変更理由書」。児童や生徒向けのマスクを調達するため、同省が業者と4月3日に契約を交わし、同月20日に契約内容を変更するために作成した。文書には「厚労省内に設置されているマスクチームから、業者との交渉により単価が143円(税込み)になる連絡があり、4月17日に業者より見積書の提出があった」と記されている。

 一方、正式な契約単価や発注枚数は黒塗りになっており、文科省の担当者は取材に「(143円の記載は)黒塗りすべき部分で、不備があった」と説明している。

 布マスクを巡っては、国会でも契約の不透明さが指摘されたほか、汚れの付着や配布の遅れなどが問題になった。【藤河匠】

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