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漆黒を照らす

/104 “神の裁き”とISが手首切断 「失った手を見るたび恐怖の記憶が」 /大阪

ISに「窃盗」の罪を着せられ、右手首を切断されたサリムさん=2019年10月シリア・ラッカで、玉本英子撮影

 シリア・ラッカ市内の広場に集まった群衆。黒覆面の男たちが、青年の右腕を机に置き、体を押さえつける。「この者には窃盗の罪で神罰が下される」とマイクで布告されると、手首めがけてナタが振り下ろされた。過激派組織、イスラム国(IS)が公開刑を執行する映像だ。

 ISは、シリア・イラクで支配地域を広げた2014年頃から、これら公開刑を町や村で繰り返した。広大な地域を支配したISは「国家」を名乗り、イスラム法による統治を宣言。捕虜や外国人人質をあいついで斬首し、のちには後藤健二さんら日本人も犠牲となった。残酷な処刑や公開刑の生々しい写真や動画は、次々とネットで発信された。IS志願の外国人が続々とシリア入りし、欧米各国でもテロ事件が頻発する。米軍は、シリアでISと戦うクルド主導勢力を支援。17年秋、激戦の末、ISはラッカから敗走した。IS支配下で何が起きていたのか。私は恐怖支配が終わったラッカに入り、公開刑に処せられた被害者を捜した。

 住民の多くが当時の話をするのを怖がった。ISがまだ潜伏し、襲撃や暗殺が絶えなかったからだ。ようやく見つかった証言者の一人は、市内西部で理髪店を営む20代の男性。「イスラム男性の髭を剃った罪」で80回のムチ打ち刑を受けた。「ムチの痛さよりも、人前での屈辱がつらかった」

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