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社説

低所得者の入居支援 住宅確保は生活の基本だ

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 新型コロナウイルスの感染拡大で景気が低迷し、住まいの確保に不安が強まっている。

 離職した人などに家賃を助成する「住居確保給付金」は、7月末までの4カ月間の給付決定件数が8万5000件を超えた。既に昨年度1年間の20倍以上だ。

 コロナ関連の解雇や雇い止めは6万人を上回る。勤務先の寮から退出を迫られたり、住宅ローンを払えなくなって持ち家を手放したりするケースも出ている。

 住まいは生活の基盤だ。失えば職探しにも支障が生じ、貧困から抜け出せなくなる。政府は、住居確保の対策を強化すべきだ。

 比較的家賃が安い公営住宅は、財政難のため2000年代以降に縮小され、受け皿の役割を果たせていない。都営住宅では、抽選倍率が数十倍に上ることも多い。

 こうした中、政府が着目したのが空き家の活用だった。低所得者や高齢者、障害者といった住居を確保しにくい人たちが入居できる物件を登録し、必要な人に紹介する「住宅セーフティーネット事業」を17年に始めた。

 物件の所有者には、耐震化やバリアフリーの改修費用を補助することで、登録を促している。

 ところが、この制度の活用が遅れている。政府は来年3月末までに17万5000戸の物件を登録する計画だが、約7万7000戸にとどまっている。

 家賃滞納や孤独死といったトラブルを警戒する所有者が多いようだ。こうした不安を解消するには、入居後の継続的なサポートが欠かせない。

 その役割を担うのが、地域のNPOや企業だ。都道府県から「居住支援法人」の指定を受け、補助金を活用して入居相談や家賃の債務保証といった事業を行う。就職支援や家賃補助などを組み合わせて、生活の再建を後押しする取り組みが求められよう。

 法人の活動は緒に就いたばかりで、効果的な支援モデルを確立するのはこれからだ。法人間や政府で情報を共有し、ノウハウを蓄積するとともに、人材を育成することが急務となっている。

 住宅政策は国土交通省の所管だが、社会保障政策との連携が重要だ。縦割りを排し、住まいの安全網を強化しなければならない。

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