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社説

国連創設から75年 国際協調の原点に回帰を

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 国連が創設されて75年になる。新型コロナウイルスの世界的流行で、かつてなく国際協調が求められる今、トランプ米大統領の自国第一主義によって機能不全の危機に直面している。

 第二次世界大戦の戦勝国である米英両国や旧ソ連が中心となって1945年10月、国連は生まれた。大戦の再発を防げなかった反省が出発点だ。

 加盟国は当初の51カ国から193カ国に増えた。日本は56年に加盟している。

 主な役割は世界の平和と安全、国際友好関係の実現だが、活動は経済、開発、人権、貧困、環境など多分野に広がっている。

 グローバル化の進展に伴い、感染症、国際テロ、難民、気候変動、核を中心とする大量破壊兵器の拡散、強まる保護貿易主義など地球規模の課題が増えている。国連の重要性はますます高まっているが、そうした課題に十分対応できていない。

 創設75年の記念会合でグテレス事務総長は、「多国間の問題は余るほどあるのに、多国間の解決策は不足している」と指摘した。その要因としては、トランプ政権が国際協調に背を向け、国連を軽視していることが大きい。

 米国は記念会合の出席者を大統領や国連大使ではなく、国連次席大使代理にとどめた。また、総会の一般討論演説で、トランプ氏は中国への非難を続けた上、各国に自国第一主義を呼び掛けた。

 こうした米国の姿勢から、安全保障理事会で中露もかたくなな姿勢を崩さなくなっている。フランスなどが今春、新型コロナ感染対策のために各地の戦闘停止を求めた際には、米中の対立で安保理決議採択に3カ月以上かかった。

 一方、国連自体にも課題はある。加盟国は当初の4倍弱に増えたが、拒否権を持つ安保理常任理事国の構成は基本的に変わっていない。アフリカ、中南米に常任理事国はなく、地域の偏りもある。

 75年間の国際情勢の変化に対応した組織にするためにも、安保理の改革が必要だ。

 国連を覇権争いの場にしてはならない。原点である国際協調を立て直すため、日本は欧州連合(EU)などと協力して主導的な役割を果たすべきだ。

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