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文芸時評

9月 私のおすすめ 小川公代(英文学者)

『獄中シェイクスピア劇団』書影

(1)マーガレット・アトウッド著、鴻巣友季子訳『獄中シェイクスピア劇団』(集英社)

(2)カーソン・マッカラーズ著、村上春樹訳『心は孤独な狩人』(新潮社)

(3)ミン・ジン・リー著、池田真紀子訳『パチンコ』(上、下)(文芸春秋)

 コロナ禍が長期化するなか、“閉じ込められること”について思索することが多くなった。文学世界の“牢獄(ろうごく)”とは必ずしも物理的な意味に限定されない。言葉の音楽という魔力がその閉じられた世界を開放させる。

 (1)は、シェイクスピアの『テンペスト』を下敷きにした追放と牢獄が主題の小説だが、アトウッドがこれまでも痛快に描いてきた復讐(ふくしゅう)物語と響き合う「仕返し」のテーマもある。かつて仲間に裏切られた演出家フェリックスは貶(おとし)められ、忍び寄る老いとも闘っている。そこに「刑務所内の更生プログラム」の劇団活動を指揮するチャンスが到来し、やがて12年越しの恨みを晴らす機会がやってくる。彼は自分の…

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