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毎日新聞朝刊1面の看板コラム「余録」。▲で段落を区切り、日々の出来事・ニュースを多彩に切り取ります。

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「アルメニア放送」あるいは…

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 「アルメニア放送」あるいは「ラジオ・エレバン(アルメニアの首都)」とは、問答方式の小話をいう。旧ソ連時代の風刺小話(アネクドート)の定番パターンとして世界的にも有名になったのである▲「ソ連と米国で言論の自由に違いはありますか」「原則としてありません。ただし米国ではスピーチ後の自由も保障されます」といった具合だ。「鶏と卵、どっちが先に存在したか?」「昔は両方あった」とは物不足への風刺である▲ともに旧ソ連を構成した隣国への皮肉もあって、「海のないアルメニアになぜ海軍省を作ったのですか」「アゼルバイジャンが文化省を設立したのと同じです」。ソ連崩壊後は紛争が繰り返された両国間で、またも流血の衝突という▲アゼルバイジャン領内でアルメニア系住民が多く、アルメニアが実効支配するナゴルノカラバフ自治州での大規模戦闘である。発端はよく分からないが、戦車やヘリ、ミサイルも投入された衝突では住民も含め死傷者が多数出ている▲かつての同地の紛争では両国で約2万人の死者を出した。今回の衝突ではアルメニアと歴史的に対立するトルコがアゼルバイジャン支持を表明した。隣接するアルメニアではその軍事介入への懸念が広がり、事態を複雑化させている▲いきおい注目はアルメニアと同盟関係にあり、アゼルバイジャンとも旧ソ連以来の関係を保つロシアの動きに集まろう。一刻も早く流血を止め、文明と歴史の十字路における「不測の事態」を封じなければならない。

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