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新型コロナウイルスの感染拡大が回復傾向にあった地価を直撃した。国土交通省が29日発表した基準地価は、全国平均(全用途)の変動率が前年比マイナス0・6%で3年ぶりに下落。コロナ禍でライフスタイルが変化し、不動産投資が縮小する中、地価は今後どう動いていくのか。【小坂剛志】
訪日客の人気が高かった大阪・心斎橋。コロナ前まで周辺は中国や韓国からの観光客であふれかえっていたが、3月以降はにぎわいが消えた。観光客の激減が響き、9月には近くの道頓堀でフグちょうちんがシンボルの老舗料理店「づぼらや」が閉店。地元企業の多言語化対応などを支援するリンクコーポレーションの牧香代子社長(44)は「ドラッグストアの撤退や老舗飲食店の閉店が起き、街の風景は一気に変わった。インバウンドが戻るまで、どうしのぐか。多くの店舗が苦慮している」と話す。
店舗やホテル需要の落ち込みも激しく、前年に大阪圏で最高価格だったグリコの看板の戎(えびす)橋北詰にある商業ビル「住友商事心斎橋ビル」(大阪市中央区)の地価はマイナス4・5%と大きく下落。最高価格の座はJR大阪駅近辺の「グランフロント大阪」(北区)に入れ替わった。
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