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「GoToイート」開始も不安消えぬ飲食業界 重い「送客手数料」負担、広がる困惑

飲食店がひしめく東京・新宿の歌舞伎町。東京の感染者数を知らせるニュースが電光掲示板に示されていた=東京都新宿区で2020年7月2日午後6時50分、梅村直承撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた飲食店を支援する政府の「Go Toイートキャンペーン」事業が10月から本格的に始まる。グルメサイトなどを通じて飲食店を予約するとポイントが還元される「オンライン飲食予約」と、国が販売額の25%を負担して発行される「プレミアム付き食事券」の2本立てだが、事業の恩恵を受けるはずの飲食業界からは前者について、不安の声が出ている。なぜこんな仕組みになったのか。【岡大介・統合デジタル取材センター/藤渕志保・経済部】

 「経済産業省から事業が『降ってきた』……」。これが「イート事業」に対する、農林水産省内での共通認識だ。

 イート事業は農水省が所管しており、「オンライン予約」と「プレミアム付き食事券」の2種類がある。だが、「オンライン」のほうは当初、農水省はタッチしていなかった。

 一連の「Go Toキャンペーン」はそもそも、官邸の肝いりのコロナ対策だ。現在は「イート」は農水省、「トラベル」は国土交通省、「イベント・商店街」は経産省と所管が分かれて実施するが、もともとは官邸主導で企画され、経産省が一括で担当していた。

 しかし、経産省が手がけていた「持続化給付金事業」について、実態の不透明な一般社団法人が受託し、さらにその大部分を広告大手の電通に再委託していた問題が浮上。これを受けて、三つの省で分割しての実施となったという。

 農水省の担当者によると、「オンライン予約」に関しては、制度設計がほぼ固まっていて口を挟む余地がなかったという。だが同省は「オンライン予約に合わない業態の飲食店もある」と主張し、その結果プレミアム付き食事券が追加された。予算としては、「オンライン」と「食事券」それぞれ767億円の同額で決着した。

 かくして、経産省由来のオンライン方式と、農水省発案の食事券方式という異なるものをクリップで留めたような仕組みになった。「利用者に選択肢を用意した」といえば聞こえはいいが、少々わかりにくさが残る。

 この「政府内部の事情」によって影響を受けそうなのが飲食業界だ。

 東京・築地の海鮮丼店。店長の男性(61)は「グルメサイト側に『送客手数料』を支払わないといけないので、もうけの大半が持って行かれてしまう…

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岡大介

1982年東京生まれ。2007年毎日新聞入社。東芝不正会計、東電改革、コインチェックの仮想通貨大量盗難事件、財務省の公文書改ざん&次官セクハラ発言問題、GAFA規制など取材。共著に「AIが変えるお金の未来」など。酔うとすぐ寝る。ツイッター @oka_mainichi

藤渕志保

2014年入社。甲府支局、北海道報道部を経て、18年4月から経済部。19年10月に財務省主税局・国際局を担当し始める前は、消費税増税や軽減税率の導入で対応を迫られた流通や外食、ビールや保険業界など、税と関わりの深い業界を担当してきた。

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