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「医療的ケア児の存在を子どもたちに」家族の熱い訴え 映像で公開

オンライン開催となったコンクール。スタジオで審査員が見守る中、参加者はリモートでそれぞれの主張を訴えた=キッズファム財団提供

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 胃ろうや人工呼吸器などが必要な医療的ケア児への理解を――と「医療的ケア児・者と家族の主張コンクール」の映像が一般公開されている。全国の参加者6人が、医療的ケア児の育児などから感じたこと、必要な支援の提案などをしている。【賀川智子】

 一般財団法人「重い病気を持つ子どもと家族を支える財団(キッズファム財団)」が主催し、今年で3回目。新型コロナウイルスの影響で、3月から9月に延期したうえで、東京のスタジオと参加者をリモートでつなぐオンライン形式で開いた。参加者の発表後、スタジオの審査員3人が話し合い、グランプリなどを選出した。

 グランプリに選ばれた兵庫県明石市の山崎香織さんは「息子・太幹がくれた“ありがとう”の日々」というタイトルで、3歳7カ月の太幹ちゃんとの日々の思いを語った。

 発表によると、太幹ちゃんは出産時に低酸素脳症で重度の障害が残った。山崎さんは当初障害児の知識はなかったが、両親やいとこら周囲のサポートを得ながら自分なりの子育てをできるようになっていった。

 その中で二つのことを思ったという。

家族らの主張の映像が見られるキッズファム財団のホームページ

「子育てで家族の絆が深まった」と実感

 一つめは「子どもたちに医療的ケア児の存在を伝えたい」ということだ。太幹ちゃんには12人のいとこがいて、太幹ちゃんの障害を当たり前のこととして受け入れ、たんの吸引も手伝ってくれた。また、子ども同士にしか分からない秘密のサインを太幹ちゃんに教えてくれたりもした。しかし、一歩外に出ると大人からは見て見ぬふりをされる。山崎さんは実感したという。

 「知っていれば何の迷いもなく接していられるのに、知らないと接することができない。だからこそ、もっと多くの子どもたちに医療的ケア児の存在を身近に感じられる環境がほしい」

 二つめは「医療的ケア児の子育てでも幸せの時間をたくさん過ごしている」という点だ。「つらくて大変」と言われがちだが、山崎さんは太幹ちゃんがいたからこそ、家族の時間も増え、絆も深まり、人の優しさや感謝も知ることができたという。そして、山崎さんは言う。「体の成長は乏しくても、心の成長はちゃんとしている。見えているものだけで幸せは測れない。障害があるからこそ、幸せに気づくことがたくさんある」

県外通院 保険適用にも壁感じる

 そのほか、一時期人工肛門だった2歳児の母である川上ゆうこさん(神奈川県)の発表もあった。3時間おきにガスや便の処理が必要だったが、ママ友にも打ち明けられず、保育園にも受け入れてもらえなかった。県外まで通院し、1枚500円ほどする袋(パウチ)代は全額自己負担で、袋がなければ日常生活ができないのに、保険適用されないことに疑問を抱いたという。「人工肛門のパウチ代について、誰もが助成を受けられる世の中になってほしい」

障害児も自分の仲間だと分かってほしい

 発表後、審査委員長で聖路加国際病院特別顧問の細谷亮太医師はグランプリ選出の理由に「12人のいとこが太幹君を見ていることがノーマライゼーションの始まりではないか。小さい時から、障害を持っている子も自分の仲間だ、と分からせるシステムが今後必要なんだと思わせるものがあった」などと講評した。

 コンクールの動画はキッズファム財団のホームページ(https://kidsfam.or.jp/)で見られる。

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