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#最後の1年

コロナ禍の受験シーズン 最後を決めたサッカー部員と母の思案 横浜市立旭中

家庭内で「父親代わり」として、母詩織さん(左)を支える内田亮平(中央)。受験勉強に専念し始めると、部活動に明け暮れる弟晃大(右)と日焼けに差が出始めた=2020年9月10日午後1時31分、黒川優撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大で今季のスポーツカレンダーは大きく塗り替えられた。部活動と受験勉強のバランスが崩れ、苦しい選択を迫られた生徒も多い。だが頭を痛めたのは生徒だけではない。保護者もまた思案に暮れた。

 「不完全燃焼のまま受験勉強にまい進しなければならない新型コロナ世代の受験生。息子の選択を応援してあげることしかできないもどかしさに包まれる毎日です」。横浜市立旭中サッカー部のDFとして活躍した3年、内田亮平(15)の母詩織さん(39)から「#最後の1年」取材班にメールが届いたのは8月下旬だった。取材に向かうと、詩織さんは「自分と同じ思いの保護者もたくさんいるはず」と語り始めた。

 亮平は4人兄弟の長男で、サッカー好きの父一平さん(42)の影響で物心がつく前からボールを蹴り始めた。小学生時代はJリーグの横浜F・マリノスのサッカースクールに通った。守備の要のセンターバックを務め、同じポジションのクラブのスター選手で日本代表だった中沢佑二さん(42)に憧れた。

 旭中ではサッカー部に入って、1年時からレギュラーとなり、先輩相手でも臆せず指示を飛ばした。今季は幼なじみの仲間たちとの集大成の1年。例年6月に始まる横浜市中学校総合体育大会を目標に定め、昨年の2回戦敗退の悔しさをぶつけるつもりでいた。

 だが新型コロナの影響で3月から休校となり、部活動も停止された。5月には目標の市総体の中止が決まった。6月に授業と共に部活動も再開したが驚くほど体力は落ちていた。感染防止のため接触プレーは避けるなど手探り状態が続いた。

 一方、中学校も塾も自粛期間中の遅れを取り戻すため授業は加速した。受験生向けの高校の学校説明会は感染予防から中止が相次ぎ、不安に襲われる中で情報を集めた。ストレスが積み重なり、頭痛や睡眠不足に悩まされた。授業中に睡魔に襲われ、注意を受けた。「今まででは考えられない状態だった」と詩織さんは振り返る。

 親子が悩んだのは部活動の引退時期だった。中止となった市総体の代替大会として8月9日に近隣4チームでのトーナメント戦が…

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黒川優

毎日新聞東京本社運動部。1990年、埼玉県生まれ。2014年入社。松山支局、神戸支局を経て19年5月から現職。サッカー、ラグビーなどを担当し、現在は主に大相撲を取材。本気で大銀杏を結おうとして、19年夏ごろから半年ほど髪を伸ばし続けていたが、思った以上に周囲からの評判が悪く、やむなく「断髪」した。

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