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記者の目

「権力」を熟知、菅政権に望む 「当たり前」を着実に=秋山信一(政治部)

自民党の新総裁に決まり、拍手に応える菅義偉氏=東京都内のホテルで9月14日、宮武祐希撮影

 菅義偉氏が第99代首相に就任した。「安倍政権の継承」を訴えて有力派閥に担がれる姿に新味は感じなかったが、「国民のために働く内閣」という飾らない命名に菅氏らしさがにじむ。そんな「当たり前」を着実に積み重ねる政権運営を望みたい。

 私は2019年10月から約1年間、菅官房長官の番記者として取材してきた。一言で言えば「現実主義者」であり、理念を語るより政策に取り組む実務家だが、政策を実現するために「権力」が必要だと熟知した政治家でもある。

 19年11月に安倍晋三首相(当時)の通算在任日数が歴代最長になった時だった。議員宿舎に帰宅した菅氏は「長く続けることがおめでたいわけではない」と言った上で、「権力」について「重みと思うか、快感と思えるか」とボソッと語った。重圧に潰されないようにするためには、思うように政策を進める快感を力に変えられるかどうかだということだ。別の機会に「官房長官は楽しいか」と尋ねると、「楽しいに決まっているだろ。やりたいことができるんだから」と明快だった。

 「権力が快感」という言葉には底知れぬ不気味さも漂うが、菅氏は権力者であると自覚した上で、必要な政策を実行するのが「自分の仕事」だと信じているのだと思う。自分で課題を設定するより、他人の提案を聞いて「やるべきだ」と感じたことを進めるのが菅流で、インバウンド(訪日外国人)振興や利水ダムの洪水対策への活用など、時に「権力」で省庁の反対を抑えながら結果を残してきた。

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