川辺川ダム効果「都合のいい洪水調節値出してないか」 前のめりの推進派に専門家異論

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
川辺川ダムの本体建設が予定されていた場所。中央部分を流れるのが川辺川=熊本県相良村で2020年9月29日午後0時46分、平川昌範撮影
川辺川ダムの本体建設が予定されていた場所。中央部分を流れるのが川辺川=熊本県相良村で2020年9月29日午後0時46分、平川昌範撮影

 仮に川辺川ダムがあれば、熊本県人吉市内を流れる球磨(くま)川のピーク時流量を4割近く減らすことができた――。7月の九州豪雨で氾濫した球磨川の水害を検証するため、国土交通省と熊本県が設置した検証委員会の初会合(8月25日)で、国交省が示した推計に川辺川ダム計画の復活を目指す推進派は色めき立った。

「感情論、イデオロギーが入ったらダメ」

 「検証結果を踏まえ、科学的データで(ダムを造るべきかどうか)判断してほしい。感情論を始めれば(建設中止となった)前回と同じ。感情論、イデオロギーが入ったらだめですよ」。球磨川流域の12市町村でつくる川辺川ダム建設促進協議会会長を務める錦町の森本完一町長は9月28日、ダム建設を要望するため福岡市の国交省九州地方整備局を訪ねた後、取材にそう語った。

 川辺川ダム計画は「コンクリートから人へ」のスローガンを掲げた旧民主党政権が2009年に中止を決めた。これに対し、12年に政権を奪還した自民党はダムを再評価する動きを強めている。19年10月の台風19号被害を機に既存の利水ダムを洪水対策に活用する取り組みが始まったが、主導したのが当時官房長官だった菅義偉首相だ。首相は9月16日の就任記者会見でも改めてダムの洪水調節機能を強調した。

この記事は有料記事です。

残り1010文字(全文1542文字)

あわせて読みたい

ニュース特集