「権力の抑制的行使を踏み外している」 与党内からも厳しい声 日本学術会議人事介入
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首相官邸による「独立組織」への人事介入は、今回が初めてではない。第2次安倍政権下でも検察庁や内閣法制局の人事に介入し、世論の反発を受けた。これまでは官房長官として批判をかわす答弁を繰り返していた菅義偉首相だが、今回は任命権者として矢面に立たされる形となる。与党からは政権発足時に記録した高支持率の低下を懸念する声も上がっている。
公明「検察庁法や内閣法制局長官と一緒だ」
「人事に関しては総合的な判断があるから、全容を説明するのは難しいかもしれないが、できるだけ丁寧に説明していただきたい」。公明党の石井啓一幹事長は2日の記者会見で、日本学術会議の人事に関し政府に注文をつけた。公明党関係者からは「検察庁法や内閣法制局長官の時と一緒だ。権力を抑制的に行使するところを踏み外している」と厳しい声も上がっている。
菅政権は安倍政権からの「継承」を掲げるが、安倍政権は従来の慣例を変える強引な人事を行い世論の批判を受けたこともある。菅政権の誕生を歓迎していた公明党だったが、負の側面まで継承すれば政権発足時の高支持率に冷や水を浴びせかねないと懸念する。
「検察庁法」とは、政府が2020年1月、黒川弘務・東京高検検事長(当時)の定年を半年間延長する閣議決定をし、その後に国会に提出して廃案となった、検事総長らの定年を最大3年間延長可能とする検察庁法改正案のことだ。
政府は現行法の「解釈変更」を行い、2月で退任する予定だった黒川氏の定年を延長。安倍政権に近いとされた黒川氏が検事総長になる道を残した。だが、改正案は定年延長を「後付けで正当化するものだ」と野党から批判を浴び、世論の反発も広がって断念した。
内閣法制局長官人事では、第2次安倍内…
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