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的川博士の銀河教室

的川博士の銀河教室 616 宇宙飛行士の食生活

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チューブから「U.F.O.」へ

 宇宙飛行士にとって、国際宇宙ステーション(ISS)での食生活は、栄養の点からも大切であり、何より楽しみなものに違(ちが)いありません。ところが、1960年代に始まった初期の有人宇宙飛行においては、小さな固形食や歯磨(はみが)きのチューブみたいな入れものにストロー状のパイプを付けたものが使われ、クリーム状、ゼリー状の食べ物ばかりでした(写真1)。赤ちゃんの離乳食(りにゅうしょく)みたいで、飛行士たちには評判が良くなかったようですね。

 やがてチューブ式はなくなり、水を少し含(ふく)んでいる食品や乾燥(かんそう)食品も加わり、もちろん乾燥食品に水を注ぐタイプも登場しました。アポロ時代には宇宙船でお湯も使えるようになり、スプーンで食事もできるようになって、少し改善されました。

 70年代になると、水で戻(もど)す「加水食品」に加えて、あらかじめ料理して凍(こお)らせた食べ物も登場しました。この頃(ころ)には、フタつきアルミ缶(かん)をトレーの上にのせて温めることもでき、冷蔵庫やテーブルもあって、スプーン、ナイフ、フォークも使うようになったのです。

 しかしやはりスペースシャトルやISSの時代になって、宇宙食は格段に向上しましたね。レトルト食品、フリーズドライ食品、フルーツや牛肉などの半乾燥食品、ナッツやクッキー、それに何といっても新鮮(しんせん)なリンゴ・オレンジ・バナナ・ニンジンなども加わって、飛行士たちは幸せな食生活を楽しむようになりました。

 そして今では、米国やロシア製だけでなく、ヨーロッパや日本の宇宙食も数多く運ばれています(写真2)。先日は、「焼きそばが食べたい」という野口聡一(のぐちそういち)飛行士(55)の念願もかなって、新たに開発された「スペース日清焼そばU.F.O.」が宇宙食として認められました。今度野口さんと一緒(いっしょ)に宇宙に旅立つことになったんですね(写真3)。

 9月12日現在、計45品目が「宇宙日本食」に認められています。バラエティーに富んだものになり、他国の宇宙飛行士たちにも大人気だそうです。みなさんも宇宙へ飛んで行って、早く食べてみたいですね。宇宙で楽しむ味は、また格別のものがあるでしょうね。


的川泰宣(まとがわ・やすのり)さん

 長らく日本の宇宙開発の最前線で活躍(かつやく)してきた「宇宙博士」。現在は宇宙航空研究開発機構(JAXA)の名誉(めいよ)教授。1942年生まれ。


日本宇宙少年団(YAC)

 年齢・性別問わず、宇宙に興味があればだれでも団員になれます。 http://www.yac−j.or.jp


 「的川博士の銀河教室」は、宇宙開発の歴史や宇宙に関する最新ニュースについて、的川泰宣(まとがわやすのり)さんが解説するコーナー。毎日小学生新聞で2008年10月から連載(れんさい)開始。カットのイラストは漫画家(まんがか)の松本零士(まつもとれいじ)さん。

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