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伊藤亜紗・評 『荷を引く獣たち 動物の解放と障害者の解放』=スナウラ・テイラー著、今津有梨・訳

『荷を引く獣たち 動物の解放と障害者の解放』

 (洛北出版・3080円)

自立・競争から相互依存・共感へ

 「わたしは、これまでの人生で、いろんな動物と比べられてきた」。そうテイラーは言う。猿みたいな歩き方。皿に口をつける犬みたいな食事法。ロブスターみたいな手。鶏みたいな、あるいはペンギンみたいな姿。自分と動物を比べるそうした言葉に、しばしば悪意があることは彼女も分かっていた。けれども、なぜそうした比較が自分への侮辱になるのかが分からなかった。なぜなら、彼女は自身の先天性多発性関節拘縮症の体を通して、動物への親しみを、自分も動物であるという感覚を、当たり前のように抱くようになっていたからだ。幼い頃は、犬になりたくて人に向かって吠(ほ)え、両親を困らせるほどだったと言う。

 障害とともにあるとは、その体ならではのやり方で世界を生きる方法を探らなければならないという意味で、本質的に創造的なことである。テイラーは、その類稀(まれ)な想像力によって、動物を通して障害の問題を、障害を通して動物の問題を考えるようになる。どこまでも明晰(めいせき)な思考が、経験と実感に根差した豊かで繊細な細部を得て飛翔(ひしょう)する。

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