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学術会議任命拒否

日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅首相が任命しなかった。極めて異例の事態の背景や問題点を追います。

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学術会議任命拒否「禍根残す」 除外された識者も出席 野党ヒアリング詳報その1

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日本学術会議の人事を巡る問題の野党合同ヒアリングで発言する、会員に任命されなかった岡田正則早稲田大教授。画面左は小沢隆一東京慈恵会医科大教授、同右は松宮孝明立命館大教授=国会内で2020年10月2日午前9時46分、竹内幹撮影
日本学術会議の人事を巡る問題の野党合同ヒアリングで発言する、会員に任命されなかった岡田正則早稲田大教授。画面左は小沢隆一東京慈恵会医科大教授、同右は松宮孝明立命館大教授=国会内で2020年10月2日午前9時46分、竹内幹撮影

 「日本学術会議」が推薦した新会員6人について、菅義偉首相が任命しなかった問題で、野党合同ヒアリングが2日、国会内で開かれた。任命されなかった会員候補の有識者3人も出席し、「内閣にイエスという提言や法解釈しか聞かなくなるのは禍根を残す」「学問の自由に対する暴挙だ」などと主張した。詳報は以下の通り。【岩崎歩】

 小沢隆一・慈恵医大教授(憲法学) 学術会議全体の極めて重大な問題。3人で要請書を出したところ、梶田隆章会長からも重要な問題として取り組むとの言葉をいただいた。

 岡田正則・早稲田大教授(行政法学) 日本学術会議は日本の科学者を内外に代表する性格が日本学術会議法という法律で与えられている。国内においては行政に対して、学術界を代表していろいろな提言を行う役割がある。学者の国会といわれるが、要は行政が左右することはあってはいけないということで法律が定められている。学術会議法の中で独立性が定められているのはそういう趣旨で、他の行政機関とは全く違う。そういうプロセスをきちんと理解した上で、内閣総理大臣は対応しないといけない。学術会議法については、1983年と2004年に大きな改正があったが、国会審議では内閣総理大臣が推薦を左右することはあってはならないし、やらないと繰り返し言ってきた。まさしく日本の社会において学術会議が果たすべき役割から当然に出てくる内閣総理大臣の対応です。今回はいわばそれを踏みにじられてしまった。日本の学術にとって大変大きなゆがみをもたらすと思う。今後の学術の発展のためにここはきちんと法の趣旨に沿って手続きを進める必要がある。

 松宮孝明・立命館大教授 日本学術会議法に書かれていることを見てください。とくに前文、それから第2条です。前文では日本学術会議は文化国家の基礎であるという確信に立って、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命として設立されたと書いてある。第2条には、わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映し浸透させることを目的とするとある。実は学術会議は会員の他に、会員のお手伝いをする連携会員という制度がある。私たちは3人はそれまでも連携会員として仕事をしてきた。その中で提言に関わるまとめやそれに至るまでの審議などで貢献してきた。実際に世の中の役に立ち、これからも立とうとしている。そういう性格の組織であることをしっかり理解していただき、問題の本質を捉えてほしい。

<以下、野党議員の質疑>

 大串博志氏 大変ゆゆしき問題。今回、6人…

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