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#排除する政治~学術会議問題を考える

任命拒否の理由を語らない菅首相の戦略 忖度使う国民支配への道 中島岳志氏が読む

中島岳志 東京工業大教授=東京都千代田区で2018年8月3日、梅村直承撮影

 「科学者の国会」と呼ばれる日本学術会議が推薦した新会員候補者のうち6人を菅義偉首相が「任命拒否」した。異例の政治介入に対し、各界から「学問の自由を侵す暴挙」との声が上がる。政権側は理由を明らかにしていないが、拒否された候補は過去に政府方針に反対した経緯があり、見せしめ的手法で異論を排除しようという政権側の思惑がにじむ。近著「自民党 価値とリスクのマトリクス」などで菅氏の政治手法を分析している中島岳志・東京工業大教授(日本政治思想)は、「こうした手法はあっという間に国民に向けられると思った方がいい」と警鐘を鳴らす。この問題について、毎日新聞はさまざまな識者にインタビューし、<#排除する政治~学術会議問題を考える>シリーズとして報じていきます。【浦松丈二/統合デジタル取材センター】

 ――6人を任命しなかった菅首相の狙いをどう見ますか。

 ◆菅さんの狙いは忖度(そんたく)を加速させることでしょう。理由を明かしていないことがポイントです。理由を明かさないことで「あの時の発言が引っかかったのではないか」「いやあの発言だ」と周囲が詮索し、自主規制のハードルを上げてしまいます。明確な理由が提示されないほど、忖度は加速するのです。

 ――確かにメディアは6人が任命されなかった理由を必死に報じています。

 ◆まさに術中にはまっています。菅さんの思い通りにメディアが「加藤陽子教授は過去に何を言っていたか」「何が引っかかったのか」などと詮索している。思っているように動くメディアの姿に、菅さんはほくそ笑んでいることでしょうね。

 ――官房長官時代には官僚支配が恐れられました。

 ◆菅さんの特徴はなんといっても「人事」です。人事権を握ることで、巧みに誘導し、忖度を生み出すことで、相手を支配しようとし…

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