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ストーリー

コロナ禍「住民の命守る」(その1) 「スラムの市長」奮闘

訪れた住民の相談に応じるジウソン・ホドリゲスさん(左)=サンパウロで7月、山本太一撮影

 南半球・ブラジルに冬晴れが広がった7月のある日、レンガ造りの家が建ち並ぶスラム街の一角で、ジウソン・ホドリゲスさん(36)は、住民女性の相談に耳を傾けていた。「プリペイドカードが使えない。どうすればいいのでしょう」

 ここはサンパウロのパライゾポリス地区。「ファベーラ」と呼ばれるスラムの一つで、貧困層を中心に約10万人が密集して暮らしている。新型コロナウイルス対策の基本である3密(密閉・密集・密接)を避けて生きるのは難しい。だが、新型コロナを「ちょっとした風邪程度」と軽視してきたボルソナロ大統領は経済活動を優先し、十分な住民支援を打ち出していない。

 こうした中、パライゾポリスで、ホドリゲスさんが会長を務める住民組織が、感染が拡大し始めた3月ごろから独自の対策を打ち出してきた。貧困層に向けた弁当の調理や配達、マスクの生産、7月にはシングルマザーら約8000人に200レアル(約4000円)のプリペイドカード配布も始めた。毎月2000レアル(約4万円)以下で暮らす貧困層の月給の1~2割に相当する。

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