在野で戦史を研究、執筆する「太平洋戦争研究会」はこれまでおよそ100冊もの書籍を世に送り出してきた。戦史ファンのみならず歴史学者やジャーナリスト、漫画などの創作者にとっても頼りになる集団だ。代表を務める平塚柾緒さん(83)は、もともと「美術少年」「文学青年」だった。
茨城県石下町(現常総市)出身で、敗戦時は国民学校の2年生。「朝、登校する時よく(米戦略爆撃機の)B29が飛んできました。近くの桑畑や麦畑に駆け込みましたね」。1945年3月10日の東京大空襲の翌日か翌々日。「河原で遊んでいると、昼間なのに夕暮れみたいに暗くなりました。煙が流れてきたのでしょう。紙の燃えかすのようなものが降ってきた」
戦争の記憶が、そのまま「研究会」の仕事につながったわけではない。絵が好きで美大に進学した。しかし時代は60年安保闘争のまっただ中。運動に関わり学業がおろそかになった。さらに文学学校にも通った。
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