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学術会議任命拒否

日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅首相が任命しなかった。極めて異例の事態の背景や問題点を追います。

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リーダーか専制か=永山悦子

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菅義偉首相による内閣が発足し、初閣議に臨む菅首相(中央)、麻生太郎副総理兼財務相(右)、茂木敏充外相=首相官邸で9月16日玉城達郎撮影
菅義偉首相による内閣が発足し、初閣議に臨む菅首相(中央)、麻生太郎副総理兼財務相(右)、茂木敏充外相=首相官邸で9月16日玉城達郎撮影

 学術界の人事をめぐる気になる出来事が続いた。一つは、大きなニュースになった日本学術会議の新会員の任命拒否問題。もう一つは、東京大の新学長の選考だ。

 前者については、既に多くの報道があり、経緯の異様さが明らかになっている。「そもそも学術会議はいるのか」という不要論まで噴出してきた。

 学術会議は、軍事研究に関する声明をよく取り上げられるが、それだけを議論しているわけではない。今年は90本の提言や報告、声明などを発表した。新型コロナウイルス、アフリカ豚熱対策、災害と地域社会、科学的根拠のあるスポーツ、生活習慣病予防、性暴力に関する刑法改正、教育のデジタル化……など幅広く、私たちの暮らしに密接する課題も多い。

 だが、過去の提言などが政策に影響を与えているとは言いがたい。印象に残るのは、法務省と厚生労働省の依頼を受け、学術会議が2008年にまとめた代理母(自ら妊娠できない女性が、カップルの受精卵を別の女性に妊娠・出産してもらう不妊治療)に関する提言。新たな立法や臨床試験をする場合の運営機関の設立などを求めた。当時は社会の関心も高かったが、今もたなざらしのまま。残念ながら、その影響力は大きくはない。そんな…

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