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秋季大会2021

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県大会 鹿島学園が初V 延長十一回サヨナラ /茨城

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【常総学院-鹿島学園】十一回裏鹿島学園2死一塁、船田琉斗の適時二塁打で、羽鳥颯が本塁に滑り込んで4点目を挙げる(捕手・田辺)=茨城県のひたちなか市民球場で2020年10月4日、長屋美乃里撮影 拡大
【常総学院-鹿島学園】十一回裏鹿島学園2死一塁、船田琉斗の適時二塁打で、羽鳥颯が本塁に滑り込んで4点目を挙げる(捕手・田辺)=茨城県のひたちなか市民球場で2020年10月4日、長屋美乃里撮影

 第73回秋季関東地区高校野球県大会(県高野連主催、毎日新聞水戸支局など後援)は4日、ひたちなか市民球場で決勝戦を行い、鹿島学園が第3シードの常総学院との接戦を制して4―3でサヨナラ勝ちした。鹿島学園の優勝は初めて。両校が出場する関東大会は8日、毎日新聞東京本社(東京都千代田区)で組み合わせ抽選会があり、24日に千葉県で開幕する。関東大会の成績は、来春のセンバツ大会出場校選考の参考資料となる。【森永亨、長屋美乃里】

常総一本が出ず

 <ひたちなか市民>

▽決勝

常総学院

  00200010000=3

  30000000001=4

鹿島学園

 (延長十一回)

 鹿島学園が延長戦の末、サヨナラ勝ち。鹿島学園は一回、高久の2点本塁打などで一挙3点を先制。その後同点とされるが、延長十一回に船田が左中間に二塁打を放って勝負を決めた。常総学院は七回に青木の中前適時打などで追いついたが、鹿島学園の先発・藪野を相手にあと一本が出なかった。

念じて走り続けた

 ○…延長十一回に二塁打を放って勝負を決めた鹿島学園の船田琉斗選手(1年)は「次の打者の調子がよく、つなげば打ってくれる」と信じて打席に立った。打球が上がっている間は「とにかく落ちろ」と念じて走り続けたといい、「(サヨナラの一打になり)良かった」と喜んだ。鹿島学園には2歳年上の兄が野球をしていたため入学した。兄の背中を追って努力を続ける。


鹿島学園・藪野哲也投手(2年) 拡大
鹿島学園・藪野哲也投手(2年)

 ■ズーム

けん制の練習実る 鹿島学園・藪野哲也投手(2年)

 同点の八回。1死二、三塁のピンチを迎えた。マウンドに集まる内野手たち。その輪の中で「三塁走者にけん制を入れる」と三塁手に伝えた。打者に投球するそぶりを見せて、走者にリードを長く取らせた上、見事にアウトを奪った。

 実はけん制の練習を重ねていた。新チームになってからのジュニア大会。決勝の水城戦での投球で、けん制の重要性を痛感したからだ。

 前日の準決勝で138球を投げて完投したが、決勝でも先発した。鈴木博識監督(70)からの「前半は軽く投げろ」という指示を守ると、時間とともに肩が軽くなり、128球を投げきった。

 初優勝を「本当にうれしい」と喜ぶ一方、自らの投球には「打たれすぎかな」と厳しい。今後は最速138キロの直球の「制球力を高める」のが目標だ。

 大阪府内の硬式野球チームに所属していた中3の冬、鈴木監督に「甲子園にいくぞ」と誘われ、握手を交わした時から全国の舞台を目指している。目標に向かって関東大会での活躍を誓った。【長屋美乃里】

常総学院・青木良弘内野手(2年) 拡大
常総学院・青木良弘内野手(2年)

久しぶりの4番で猛打 常総学院・青木良弘内野手(2年)

 4番の重責を見事に果たす猛打を見せた。三回表2死満塁の場面。右中間の守備が手薄なことに気付くと、外角に来た球を練習通り強く打ち返して2点適時打を挙げた。七回にも同じコースのスライダーを右前に運んで走者を還した。「自信にはなったが、もっと打って勝ちたかった」と振り返った。

 4番の打席は久しぶりだった。4番で出場した1、2回戦では7打数無安打に終わり、準々決勝以降はベンチから試合を眺めていた。「チームに迷惑を掛けている」と悩んだ。

 だがそれでも毎晩2時間の打撃練習を怠らなかった。島田直也監督(50)もこの日の活躍を「試合に出られなくても、チャンスが回ってくると思って準備してきた結果だ」とたたえた。

 全国大会常連の常総学院に憧れて、東京都稲城市から入学した。「確実性のある4番を目指したい」という。決勝で取り戻した自信を胸に、関東大会でも活躍を期す。【森永亨】

【秋季大会2021】

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