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東日本大震災で多くの児童が犠牲になった石巻市立大川小。震災遺構として整備する一環で始まった管理棟建設に、卒業生の大工、三條将寛さん(30)が携わっている。津波で弟泰寛さん(当時17歳)を失い、故郷からの立ち退きを余儀なくされた。「地元に恩返ししたい」との思いから家業の工務店に入り、研さんを積む。
校舎南側の敷地に建つ管理棟は木造約300平方メートルの平屋。晴れ間ものぞいた9月27日、足場に乗った三條さんは木材をハンマーで打ち付け、10人程度の大工と屋根の骨組みを造った。「正確さが問われる重要な工程。しっかり取り組めた」と充実感を漂わせた。
生まれ育った長面地区は大川小の北東約3キロの北上川河口近く。夏には海に飛び込んで遊んだ自然豊かな故郷は9年半前の津波で水没した。災害危険区域となり居住が禁止されたため、住民は内陸に集団移転した。
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