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北陸ダークツーリズムガイド

観光の対象はさまざまで、戦争や災害の跡を始めとする悲劇の記憶を見に行く旅人もまた多い。1990年代から、ヨーロッパを中心としてこの悲劇の記憶を巡る旅の研究が掘り下げられ、一般に「ダークツーリズム」と呼ばれるようになった。ダークツーリズムは、悲劇の記憶を教訓として後世に引き継ぐ役割を持っていることから、急速にその支持を増やしつつある。本連載では北陸3県を中心としたダークツーリズムの旅を紹介する。

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北陸ダークツーリズムガイド

美しい海回復記念碑 環境保護訴える浜辺 /石川

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波止場の近くにあった「美しい海回復記念碑」のモニュメント=石川県珠洲市長橋町で、井出明撮影
波止場の近くにあった「美しい海回復記念碑」のモニュメント=石川県珠洲市長橋町で、井出明撮影

 7月にモーリシャス沖で起きた貨物船の座礁による重油流出事故は、全世界を震撼(しんかん)させることになった。日本ではあまりなじみのないこの国であるが、ヨーロッパの観光学の教科書ではエコツーリズムによる観光誘客の成功例としてしばしば言及されている。欧米からバードウオッチングや豊かな自然景観を楽しむ富裕層が多く訪れ、国際的な保養地となっていた。そうした地域での環境破壊であるから、現地の人々の心労は如何(いか)ばかりかと心が痛む。

 翻って本邦を顧みれば、1997年1月2日にロシア船籍のタンカーであったナホトカ号が島根県沖で難に遭い、大量の重油が流出するという悲劇は、未だ多くの人々の記憶に刻まれていることであろう。この事故は、当初、海流の方向性から大きな被害を生まないであろうといわれていたが、実際には強風の影響により、福井から石川県の能登半島沿岸にかけ、大量の油が流れ込むことになった。

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