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余録

「障子襖を入れる」…

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 「障(しょう)子(じ)襖(ふすま)を入れる」。俳句を作るには少し長い秋の季語である。夏は取り払っていた障子や襖を敷居にはめ、部屋を冬向きに仕切ることをいう。歳時記は副題の「襖入る」「障子入る」を用いた作例をのせている▲「香焚(た)いて香のとゞまる襖入れ/及川貞(おいかわ・てい)」「障子入れきのふを遠くしたるかな/片山由美子(かたやま・ゆみこ)」――今や死語ともいえる季語だが、季節の移ろいに仕切りを入れて情趣を楽しんだ昔の暮らしがしのばれる。「冬仕度(ふゆじたく)」も秋の季語である▲で、今年の冬支度はいつもより早い。しかも障子と襖ではないが、二つの備えを同時に進めねばならないという。新型コロナと季節性インフルエンザの同時流行に備えたインフルワクチンの早期接種や、検査・医療体制の整備である▲発熱時に見分けがつかず、双方の検査が求められるコロナとインフルである。発熱患者には身近な診療所で相談から検査まで簡単にできる体制がほしい。だが診療所の十分な協力が確保できるかは、まだ今後の取り組み次第という▲同時流行を防ぐ決め手、インフルワクチンの接種はすでに高齢者から始まっており、26日から妊婦や子どもはじめ一般にも広げられる。外国ではインフルワクチンによりコロナ感染症の死亡や重症化率が減ったとの報告もあるという▲コロナ患者の入院を重症化のリスクに応じて絞り込むのも医療崩壊防止には欠かせない。新旧ウイルスの拡散を防ぐには、障子も襖もアクリル板もあらゆる策を総動員しなければならない試練の冬である。

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