メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

支援学校に設置基準 安心できる学びの環境を

[PR]

 障害のある子どもが通う特別支援学校について、国の設置基準が設けられる見通しとなった。

 小中学校や高校と同様に、子どもの数に応じた校舎の広さや備えるべき施設が定められる。

 特別支援学校では在籍者がこの10年で1・2倍に増え、過密化と慢性的な教室不足が深刻だ。昨年度の時点で、全国の公立では計3162室が足りない状況にある。1校につき平均3室にあたる。

 障害の特性に合わせた専門的な教育を求める保護者が増えているのに対し、学校の新設や増築が追いついていないからだ。

 このため、各校は苦肉の対策を強いられてきた。

 教室をカーテンなどで間仕切りし、半分は算数、半分は音楽と、同時に二つの授業に使うのは珍しくない。音は隣に筒抜けだ。

 図書室を普通教室として使わざるをえず、置き場に困った本を廊下に並べているところもある。

 新型コロナウイルスの感染が広がる中で、過密化への懸念は強まっている。特別支援学校は基礎疾患のある子どもが少なくない。普通学校以上にきめ細かい目配りが欠かせない。

 基準策定は、教育環境の改善に向けた一歩になると期待される。

 これまで国は策定に及び腰だった。背景には、さまざまな障害を持つ子どもが在籍するという特別支援学校の事情がある。

 視覚、聴覚、知的など、すべての障害に対応できる基準を作るのは容易でない。今後の策定作業でも、多様な障害への配慮が課題となる。

 基準を作るだけでなく、設置自治体への財政支援を強化し、学校用地の取得や廃校舎の改修による活用を後押しする必要もある。

 国は、障害の有無にかかわらずすべての子どもが共に学ぶ「インクルーシブ教育」の推進を掲げている。だが、普通学校では、専門的な知識を備えた教員が足りないなど受け入れ体制に課題も多い。

 子どもと保護者が普通学校、特別支援学校のどちらに通うかを決める際、気兼ねや不安が先に立つようでは、選択の自由が保障されているとは言いがたい。

 将来を見据え、どの子どもも安心して学べる環境づくりを進めなければならない。

コメント

投稿について

読者の皆さんと議論を深める記事です。たくさんの自由で率直なご意見をお待ちしています。

※ 投稿は利用規約に同意したものとみなします。

利用規約

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ORICON NEWS 伊藤健太郎“ほぼ裸”のポスタービジュアル掲載に照れ「ぜひ、やめていただきたい!」

  2. 首相「50年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」表明へ 国際圧力高まり対策強化

  3. 鳥取県教委、部活遠征で教員83人処分 生徒をマイカーに 実態に合わずの声も

  4. 社民・福島党首「党大会すべきでない」 幹事長「招集済み」 立憲合流巡り混迷深まる

  5. NHK、総務省提案の受信料義務化に慎重姿勢 「支払いは視聴者理解のもと」

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです