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1968年に西日本一帯で確認された国内最大の食品公害「カネミ油症」の被害者団体が、名古屋市に設立された。被害者団体は九州や中国地方など全国に13あるが、東海地方での設立は初めて。被害発覚から10月で52年。共同代表を務める患者の男性調理師(61)=名古屋市=は「声を上げなければ、被害が忘れ去られてしまう」と思いを語る。
男性は長崎県・五島列島にある福江島(五島市)で育った。家の食事でカネミ倉庫(北九州市)製の米ぬか油を口にしたのは9歳の時だ。間もなく顔や体に吹き出物が次々に出るなど体調に異変が生じた。男性の住んでいた玉之浦地区は被害が集中した地域で「(児童が)学校の運動場に並べられ、吹き出物がないか先生にチェックされた」と振り返る。
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