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この国に、女優・木内みどりがいた

<7>権力に沈黙しない「画家・四國五郎」との出会い

会場に映し出された絵本「おこりじぞう」の挿画と、ペンライトをかざして朗読する木内みどりさん(左端)=広島市中区で2019年8月15日(写真はいずれも四國光さん提供)

 女優の木内みどりさんは晩年、原爆絵本「おこりじぞう」の朗読会をライフワークにしていた。100回を目標にしていたが、12回目が最後になった。絵本の挿絵を描いた画家で詩人の四國五郎さん(2014年に89歳で死去)は、木内さんに大きな影響を与えた一人だ。大規模集会で臆することなく脱原発と護憲の必要性を訴え、「アベ政治ノー」と言い続けた木内さん。自分の信じる通りに行動した彼女の原点に迫るため、「おこりじぞう編」を何回かに分けて掲載したい。【企画編集室・沢田石洋史】

原爆絵本「おこりじぞう」の朗読をライフワークに

 反戦・反核運動に生涯をささげた四國さんを紹介する英文サイト「Popular Protest in Post War Japan:The Antiwar Art of Shikoku Goro」が8月、米国で公開された。「四國五郎の反戦芸術~戦後日本における民衆の異議申し立て」とでも訳せばいいだろうか。制作者は米オーベリン大学で日本文化を研究するアン・シェリフ教授。兵士として戦場に赴き、シベリア抑留体験を持つ四國さんは帰国後、戦争や原爆にまつわる膨大な作品を残している。サイトはその功績を伝えるもので、平和教育などの教材として世界で活用されることが期待されている。

 四國さんの数々の代表作が掲載されているのだが、貴重な動画もアップされている。木内さんが「おこりじぞう」を朗読している1分19秒の映像だ。サイト制作に協力した四國さんの長男、光さん(64)によると、木内さんが朗読する動画が常時公開されているのはこのサイトだけ。亡くなる約3カ月前の19年8月15日、広島市内で行われた朗読の一部を収めている。

真っ暗な会場でペンライトをかざし朗読

 「おこりじぞう」(金の星社)の原作者は作家の山口勇子さん(00年に83歳で死…

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