「次はここなのか」 岡野八代氏と考える任命拒否 杉田水脈議員発言との共通点
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日本学術会議の新会員候補6人の任命拒否問題と通底する訴訟を提起した研究者たちがいる。自民党の杉田水脈衆院議員に、研究内容を「捏造(ねつぞう)」「活動家支援に科研費(科学研究費)を流用している」などと誹謗(ひぼう)中傷され、名誉を傷つけられたとして、京都地裁に提訴したジェンダー論やフェミニズムの研究者たちだ。その原告の一人、同志社大の岡野八代教授(西洋政治思想史)は任命拒否は「今後、科研費の申請、審査にも波及しかねず、研究者間の萎縮をもたらす」と警鐘を鳴らす。【塩田彩/統合デジタル取材センター】
第2次安倍政権からの延長線上にある問題
――菅義偉首相の任命拒否をどう受け止めましたか。
◆最初に感じたのは、「次はここなのか」ということでした。今回の問題は、第2次安倍政権から続いてきた政治の延長線上にあると考えています。自らの思惑に反する人を排除するために、あるいは自らの思惑を押し通すために、法解釈やルールを曲げるということは、これまでも行われてきました。
今年の検察庁法改正案や、2015年に内閣法制局長官の人事に介入し、その結果憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認した安全保障関連法もそうです。
日本学術会議の会員選出について、政府は1983年に公選制から任命制に変更しました。政府の介入を懸念する野党議員の質問に、当時の中曽根康弘首相は「政府の行為は形式的行為と考えれば、学問の自主独立はあくまで保障される」と明言しています。
それを曲げてまで任命を拒否したのはなぜか。一連の流れの根幹にあるのは、国家権力に反す…
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