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苦節7年、海外武者修行糧に130試合目でプロ初勝利 DeNA・平田

プロ初勝利を挙げ、ラミレス監督(左)と握手するDeNA・平田=東京ドームで

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 初めて受けたというヒーローインタビュー。DeNAの7年目・平田真吾投手(31)の目は少し潤んでいた。2年ぶりに先発した7日の巨人戦(東京ドーム)で5回を被安打3、7奪三振で2失点に抑え、悲願のプロ初勝利を挙げた。「こんなに遅くなるとは思わなかった」。もがき続けてきた右腕は、海外での武者修行を経て登板130試合目でつかんだ白星に照れ笑いを浮かべた。

 この日のDeNAは先発投手が登板せず、救援陣だけでつなぐ「ブルペンデー」。平田は2018年4月11日以来2度目の先発を託された。立ち上がりは制球が乱れ、2連続四球と安打で一死も取れぬままあっさり1点を失ったが、下半身を使うことを意識して修正。7人が並んだ左打者の内角を突く直球やカットボールに、決め球のフォークを織り交ぜて立ち直った。五回の攻撃では「負けている状態でリリーフ陣に渡すのは申し訳ない」と志願して2度目の打席に立ち、その裏は無失点。試合前、「あわよくば5回」と語っていたラミレス監督の期待に応えた。

 すると六回、味方が4点を奪って逆転。平田の後、5人の投手リレーでリードを守り切った。勝利投手の権利を持ったままベンチから見守った平田は「(初勝利まで)時間がかかっていて、リリーフ陣に変なプレッシャーを与えてしまうのが嫌だった」と苦笑いだったが、ラミレス監督は「素晴らしい仕事をしてくれた」と目尻を下げた。

 山口・豊北高、北九州市立大、ホンダ熊本を経て14年にドラフト2位で入団。中継ぎの即戦力として期待されたが、低空飛行が続いた。昨季まで登板99試合で0勝3敗。中継ぎが接戦でリードを保った場合などに記録されるホールドもわずか6だった。「ずっと苦しかった。何をしてもうまくいかなくて」。勝ち試合を任されず、主に「敗戦処理」を担った18、19年は、リリーフ登板した24試合全てでチームは敗れた。

 転機は昨オフに訪れた。実戦で打者との対戦を重ねて駆け引きを学ぼうと、球団が提携するオーストラリアン・リーグのキャンベラに加入。積極的に振る外国人打者を相手にカットボールに磨きをかけた。「反応をしっかり見ながら他の変化球との兼ね合いを大事にしてきた」。左打者の内角に食い込む新たな武器を手にしたことで投球の幅が広がった。

プロ7年目で初勝利を挙げたDeNA・平田=東京ドームで

 迎えた今季。6月の練習試合期間中に1軍に合流した平田の投球を見たラミレス監督は「投げたその瞬間から、『今年はかなりやってくれそうだ』と感じた」という。開幕からロングリリーフもワンポイントリリーフもこなしてブルペンに欠かせない存在となり、8ホールドをマーク。先発のチャンスをたぐり寄せた。

 プロ野球で初勝利まで100試合以上を要した投手には、168試合の近鉄・柴田佳主也投手(00年7月18日の日本ハム戦)や、142試合の中日・祖父江大輔投手(17年4月20日の阪神戦)らがいる。柴田はプロ10年目での勝利だった。

 初白星まで長い年月がかかっただけに、平田はヒーローインタビューでチームメートへの感謝を繰り返し、「最高の一日になった」と顔をほころばせた。「頼りない31歳ですが、まだまだ頑張りたい」。控えめに語った苦労人の右手にはウイニングボールがしっかりと握られていた。【細谷拓海】

ひらた・しんご 

 1989年8月29日生まれ。山口県出身。山口・豊北高、北九州市立大から社会人のホンダ熊本を経てドラフト2位で14年にDeNA入団。プロ初登板は14年開幕戦の3月28日のヤクルト戦(神宮)。15年6月6日の西武戦(横浜)でプロ野球17人目の1イニング4奪三振を記録した。182センチ、85キロ。右投げ右打ち。

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