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30年遅れの博物館開館 第1号の学芸員は定年目前 なぜ今オープンするのか

10日に開館する尼崎市立歴史博物館=兵庫県尼崎市南城内で2020年10月7日午後0時45分、中村清雅撮影

 バブル経済での土地高騰、阪神大震災による計画凍結――。時代に翻弄(ほんろう)され、一度は立ち消えになった兵庫県尼崎市の市立歴史博物館が10日、当初の計画から30年遅れで開館した。4年後の開館を約束され、1986年に第1号の学芸員として入庁した桃谷和則さん(58)は2年後に定年を控え、「ここまで紆余(うよ)曲折がありすぎたが、34年前の『約束』がようやく実現する」と万感の思いを込める。

 博物館は当初、市制70周年(86年)の記念事業として計画され、90年に開館する予定だった。神戸大で日本史を研究し、大学院進学を考えていた桃谷さんは、学内で偶然、採用試験の告知を知って受験し、合格。担当者から「あと数年で市立博物館ができる。そこで活躍してほしい」と話があったことを覚えている。

 近現代担当の学芸員として桃谷さんは「準備室」に配属された。産業構造の変化などにより、狭い尼崎から重厚長大産業の巨大工場などが次々に撤退した時期だった。「高度経済成長を支えた工業都市、尼崎の記録を残さねば」との熱意に駆られた桃谷さんは、市内の工場に通って写真を撮り、資料の提供をお願いして回った。戦前の建設時には日本最大で、当時解体が始まっていた火力発電所について、関西電力とも交渉。重さ約6トンのタービンの寄付を受けた。

 市は開館に向け、さらに中世、近世、美術と分野の違う3人の学芸員を採用した。しかし、バブル経済到来…

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