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余録

江戸時代の大坂、天満の青物市の繁盛は…

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 江戸時代の大坂、天満(てんま)の青物市の繁盛は秋がピークだったという。「松茸(まつたけ)の頃殊(こと)に賑(にぎ)わし。松茸市は夜なれば松明(たいまつ)をとぼして商う。摂州能勢、勝尾等の山々よりおびただしく出(い)ず。又(また)、丹波より多く来る」▲松下幸子(まつした・さちこ)さんの「江戸料理読本」によれば、マツタケが当時いかに多く出回ったかは、その保存法が料理書によく記されていることで分かる。「料理献立抄」には湯煮したマツタケの間に松葉を置いて塩漬けにする法が書かれている▲そんな昔の復活は望めずとも、今年はマツタケが絶滅危惧種に指定されたことに驚いた方が多かろう。危険度は上から3番目の「危急」。マツタケの生育するマツ林が減ったためで、人間による採りすぎという話とは少し違うらしい▲これでは今年も品薄で高値かと思っていたら、今月に入り岩手県での大豊作のおかげで東京市場のマツタケの卸値は平年の5割安という。全国的には例年よりも入荷が遅れている地域が多く、産地により不作、豊作さまざまのようだ▲今季目立っているのは輸入マツタケの高値という。まず輸入量トップの中国からの品がコロナ禍による航空便減便や現地の需要増などで減った。2位の米国では主産地オレゴン州など西海岸の山火事のために収穫できなくなっている▲各地の森林生態系の変化。交通網を分断したパンデミック。気候変動による山火事の大規模化。ありがたくも食卓にのってくれたマツタケの一切れに、地球上のさまざまな光景が思い浮かぶ今年の秋である。

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