市中感染ゼロ半年 「安心」台湾島内旅行がブーム 消えたインバウンド補う

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
緑島は熱帯に属し、10月初旬でもマリンレジャーを楽しむ観光客であふれていた=台湾東部・緑島で2020年10月2日、福岡静哉撮影
緑島は熱帯に属し、10月初旬でもマリンレジャーを楽しむ観光客であふれていた=台湾東部・緑島で2020年10月2日、福岡静哉撮影

 半年にわたり新型コロナウイルスの市中感染「ゼロ」が続く台湾。コロナ対策で海外渡航が制限されるため、「台湾島内旅行」ブームが到来している。6月からイベントなどの規制が徐々に緩和され、7月に観光振興策が始まったことがブームを後押しした。流行語は「リベンジ(仕返し)旅行」。コロナ対策で長期にわたり遠出を控えてきた人々が、鬱憤を晴らすという意味だ。旅行客は「コロナ感染の心配なく安心して旅行できる」と喜び、地方の観光地にとっては、都市部の観光客を呼び込むチャンスとなっている。

海外に行けず「島内旅行」ブーム

 台湾の新型コロナウイルス感染者数の累計は7日現在、523人で、死者は7人にとどまる。海外から戻った人の感染確認は時折あるが、市中感染は4月12日を最後に確認されていない。感染拡大が止まらない日本など各国と比べればまるで「別世界」だ。

 10月1日からの「中秋節」の4連休。中でも離島が人気と聞き、記者は東部・台東県の沖合に浮かぶ緑島に行くことを決めた。だがインターネットで検索すると、緑島は連休中、どの宿もほぼ満室だ。民宿の8人部屋の1ベッド分を、なんとか予約した。

 1日午前6時半、台北駅に着くと、チケット売り場には長蛇の列ができていた。新幹線の指定席を買い損ねた人たちだ。妻と一緒に並んでいた朱栄茂さん(68)=台北市=は「毎年2度の日本旅行が楽しみだったが、新型コロナで今は行けない。そこで(台湾中部の)阿里山に行くことにした。何とかして自由席に座りたい」と必死だ。

 台湾から海外には19年、のべ1710万人が旅行に出かけた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、朱さんのように海外旅行から切り替える動きが「島内旅行」ブームにつながっているとみられる。

 一方、19年は海外からのべ1184万人が台湾を訪れたが、このインバウ…

この記事は有料記事です。

残り2336文字(全文3100文字)

次に読みたい

あわせて読みたい

注目の特集