娘は「生きようとしていた」被害者の母証言、声詰まらせ… 座間9人殺害事件 10月7日公判詳報1
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神奈川県座間市のアパートで2017年、9人の遺体が見つかった事件で、強盗・強制性交等殺人罪などに問われた白石隆浩被告の裁判員裁判は10月7日午前、東京地裁立川支部で公判があり、神奈川県厚木市の女性(当時21歳)の母が証人として、亡き娘への思いを語った。遺族がこの裁判で話すのは初めて。
母の姿はパーティションで保護
<午前10時半、東京地裁立川支部101号法廷>
9月30日に始まった公判はこの日が第4回。審理は、最初に殺害されたとみられる女性の事件から進んでいる。女性の母の姿はパーティションで遮蔽(しゃへい)されて、白石被告や傍聴席からうかがえない。
検察官「行方不明になる直前までお兄さん、お母さんと3人で暮らしていたんですね。物流センターで働いておられたのですね」
母「はい。私が車で送り迎えをしていました。一緒に映画を見に行ったり、買い物に行ったりしました」
検察官「お兄さんとの関係は」
母「箱根に旅行に行ったり、家にいるときも兄の部屋に行ったりと、仲がよさそうだったと思います」
女性は悩みを抱えながらも懸命に生きていたという。匿名で審理され、法廷で「Aさん」と呼ばれていたこの女性。家族との暮らしは、事件で突然、断ち切られる。
検察官「事件直前の17年8月のご様子は? 捜査によると、ツイッターで自殺願望を表明して、被告と知り合いました。家庭で変わった様子はありましたか」
母「食事の量が少なくなり、表情が疲れているようにみえました。本人も『疲れている』と話していました。仕事が負担だと思ったので『しばらく家でゆっくりしたら。やめてもかまわない』と言いました。本人は『ちょっとやってみる』というので、『ぎりぎりになるまで無理をしないで』と繰り返し言いました」
突然、姿を消した…
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