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余録

新型コロナウイルスの感染を恐れ…

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 新型コロナウイルスの感染を恐れ、多くの人が巣ごもりしていた頃、買い物客でにぎわう場所があった。ホームセンターだ。花や野菜の種、腐葉土、植木鉢……。庭やベランダで育て、心を癒やしたい。そう思う人がたくさんいたのだろう▲実りの秋。週末、東京郊外の田園で農作業に汗を流すのは農家の人ばかりではない。会社員やその家族が都心を離れ、収穫を楽しむ。大都市近郊で貸農園を営む企業は成長を続けている。希望の農地が空くのを待つ人も少なくない▲ドイツではかつてクラインガルテンという社会運動が起きた。都市生活者が地方で農地を借り、耕すことを政府や自治体が後押しした。ロシアや英国でも同じような動きがあった。屋外での農作業は心身の健康につながる。貸農園が人気なのは、都会暮らしに疲れた人が増えたせいだろうか。コロナ禍がブームに拍車をかけている▲コロナ禍は、産業の海外依存が行き過ぎることへの警鐘も鳴らした。見直さなければ、いつか食べ物も不足する心配がある。農への回帰は日本の食料自給に少しは貢献するかもしれない▲山形県の農村出身の作家、藤沢周平は兼業農家についてこう記している。「この人たちは土地を経済効率だけではからず、土地に対する愛着を土台にして物を考えることが出来るだろう」▲週末農業やベランダ栽培に通じる気がする。ポストコロナの時代には土を愛する人がもっと増えるに違いない。ベランダを彩る花々から、きょうも元気をもらえる。

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