ノーベル賞「ゲノム編集」研究の阪大名誉教授が語る「科学者の原点」

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研究テーマとしてきたゲノム編集の研究者がノーベル化学賞に選ばれ、思いを語る大阪大名誉教授の中田篤男さん=大阪府豊中市で2020年10月7日午後8時54分、宮川佐知子撮影
研究テーマとしてきたゲノム編集の研究者がノーベル化学賞に選ばれ、思いを語る大阪大名誉教授の中田篤男さん=大阪府豊中市で2020年10月7日午後8時54分、宮川佐知子撮影

 2020年のノーベル化学賞は、生物の遺伝子を効率よく改変する技術「ゲノム編集」を開発した研究者2人に授与される。この技術のベースは、約30年前に大阪大微生物病研究所(大阪府吹田市)で生まれた。当時研究に携わった阪大名誉教授の中田篤男さん(90)は喜びを語りつつ、倫理面の課題も指摘されるゲノム編集について「良い方向に使ってほしい」と心から願う。脳裏には、終戦前後に学徒動員先や進学先の大学で目にした惨状があった。

 中田さんは1980年代、同研究所で石野良純さん(63)=現九州大教授=と、大腸菌の酵素について研究していた。大腸菌の遺伝子に不思議な「繰り返し配列」があることに気づき、87年に論文を発表した。スウェーデン王立科学アカデミーは20年のノーベル化学賞を、独マックスプランク感染生物学研究所のエマニュエル・シャルパンティエ所長=仏国籍=と米カリフォルニア大バークリー校のジェニファー・ダウドナ教授に授与すると発表。中田さんらの論文は、同アカデミーによる授賞理由の解説資料の中で、ゲノム編集の技術開発に貢献した業績の一つとして引用された。

 ゲノム編集技…

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