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続・沿岸南行記

「ここが踏ん張りどころ」水揚げ額、震災前の半分程度 元大謀が漁師仲間に発破かけ 岩手・普代

修復された番屋を笑顔で見上げる熊谷実さん。仲間と集った思い出の場所だ=岩手県普代村で10月1日、安藤いく子撮影

 白壁の防潮堤がそびえる岩手県野田村から車で南に30分ほど行くと、三方を山に囲まれた港が見えてくる。10月1日、漁師の熊谷実さん(73)に海のそばの番屋を案内してもらうため、普代村の太田名部(おおたなべ)漁港を訪ねた。

 番屋は漁師の作業小屋だ。漁の前後に集まり、漁具の手入れをしたり、豊漁祝いをしたりする。熊谷さんは東日本大震災から2週間後、津波で1階が大破したこの番屋の前で先輩記者の取材に応じてくれた。当時、既に漁再開への決意を語っていた。

 <夢に出てくるほど津波は怖いが、漁は続ける。「漁師が最初にやらねえば、加工も仲買人も商売になんないしな」>

 「仲間みんなから『大謀(だいぼう)、がんばっぺし』って言われ、『やらねえば』って」。熊谷さんが当時を振り返る。大謀とは定置網漁の漁師たちを率いるリーダーのこと。2008年から熊谷さんが務めていた。

 中学卒業後、サケを定置網で取る漁師になった。東日本大震災時は仲間19人をまとめていたが、番屋は津波で大きな穴が開き、漁具は流された。船に置いてあった熊谷さんの船舶免許証は数カ月後、遠く離れた北海道の苫小牧で見つかった。

 幸い定置網で使う大型船は壊れず、高台に保管していた網も無事だった。多くの仲間…

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