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大阪都構想住民投票が告示 大阪市廃止を再び市民に問う 11月1日投開票

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「大阪都構想」の是非を問う住民投票が告示され、啓発のため大阪市役所を出発する「行こう!投“ヒョウ”号」=大阪市北区で2020年10月12日午前9時36分、山田尚弘撮影

 大阪市を廃止し、4特別区に再編する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が12日、告示された。2015年に1万票差で否決されて以来、2度目。大阪市の有権者(18歳以上)約224万人を対象に11月1日に投開票され、賛成が1票でも上回れば政令市が地方自治史上初めて廃止される。

 住民投票は大都市地域特別区設置法に基づいて実施され、法的拘束力がある。賛成多数の場合、25年1月1日に公選区長と区議会を持つ4特別区に再編されるが、府の名称を「大阪都」とするには法整備が必要。否決の場合、大阪維新の会代表の松井一郎市長は23年4月の任期満了後に政治家を引退する意向だ。

 15年の否決後、松井氏や吉村洋文氏(大阪府知事)が2度にわたる知事・市長のダブル選で勝利し、公明党が賛成に転じて2度目の住民投票が実現した。

 インフラ整備など広域行政を府に一元化することを目指す維新と公明党は、大阪市の南海難波駅前で合同の街頭演説を実施。松井市長は「都構想で二重行政を根本から断ち切る。府と市が対立するのが大阪の一番のデメリットだ」と訴え、公明府本部の佐藤茂樹代表は「維新と建設的な議論を積み重ね、都構想の設計図は良いものに生まれ変わった」と主張した。

 一方、大阪城公園で第一声を上げた自民党府連の左藤章政調会長は「なぜ大阪市を解体するのか理解できない。都市間連携で大阪を強くするべきだ」と反対への投票を呼びかけ、立憲民主党や共産党も反対活動を展開した。【芝村侑美、石川将来】

直接民主主義の試金石に

 政策の賛否を問う住民投票は全国各地で実施されてきた。その大半は住民の意見を知るために条例に基づいて実施されるが、12日に告示された大阪市廃止、特別区設置の是非を問う住民投票は、大都市地域特別区設置法(大都市法)を根拠とし、投票率にかかわらず、賛成多数になれば市の廃止は確定する。覆らない重い判断を、市民に求めるものだ。

 「大阪都構想」は広域的なまちづくりで市が持つ権限を大阪府に集約する制度だ。府市の対立を防ぎ、政策実行が円滑になる側面がある一方、府と特別区の協議や調整が疎んじられる懸念も生じる。住民サービスをどう維持・向上させるかの担保も必ずしも明確ではない。大都市法は制度案について分かりやすい説明を義務付けているが、今回、市の説明会や広報は推進前提かつメリット一色で中立性を欠いた。むしろ、制度の限界や課題と併せて説明するべきだった。

 現在は議論が下火だが、憲法改正案が発議されれば国民投票で是非が問われることになる。賛否の分かれる重大テーマで、政府や行政の情報発信のあり方や議論を巡っても直接民主主義の試金石になるだろう。【津久井達】

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