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「おちょくって一人前という空気」 自浄作用働かず再発防止に課題 神出病院虐待

神戸地裁=三村政司撮影

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 神戸市西区の神出(かんで)病院で起きた入院患者への虐待事件で、準強制わいせつや監禁などの罪に問われた元看護助手、和田元規被告(27)に対し、神戸地裁(小倉哲浩裁判官)は12日、懲役4年(求刑・懲役7年)の判決を言い渡した。

 今回の虐待事件は、和田被告が19年12月、病院外の面識のない女性(当時22歳)に対する強制わいせつ容疑で逮捕されたことがきっかけで発覚した。捜査の過程で、被告のスマートフォンから患者への虐待動画が見つかったためだ。閉鎖病棟に入院する患者らは重い精神疾患があり、被害を申告することは難しい。病院内の自浄作用が働かなかったことも明らかになっており、再発防止に向けた課題が浮き彫りになっている。

 6人の中で最も勤務が長い元看護師(34)は、昔から先輩の看護師が患者に暴力を振るい、嫌がる愛称で呼ぶなどしていたと証言。別の元看護師(33)も「上司が患者をからかって怒らせていた。患者をおちょくって一人前という空気があった」と述べた。事件後に行った神戸市の調査でも、複数の病院職員が「虐待行為を聞いたことがある」と回答したが、その後に上司や外部に相談して対応した形跡はみられなかった。

「氷山の一角」専門家指摘

 事件を受けて厚生労働省は今春、都道府県と政令市を対象に精神科の医療機関での虐待事例について、初めて調査を実施。15~19年度で虐待が疑われる事例が72件あったが、病院側の通報で把握できたのは35件にとどまった。

 障害者虐待防止法は、障害者を受け入れる施設や就労先での虐待事例について自治体への通報義務を定めているが、病院は対象になっていない。このため、神戸市は「虐待の早期発見には法改正が必要」とし、病院も対象にするよう国に訴えている。

 杏林大の長谷川利夫教授(精神医療)は「今回の事件は氷山の一角と言える。患者が家族らと自由に面会できるようにするなど、精神科病院の環境改善に向けた議論が必要だ」と指摘した。【反橋希美、山本真也】

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