メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

恋ふらむ鳥は

/124 澤田瞳子 画 村田涼平

 四比(しひ)福夫(ふくぶ)と善光(ぜんこう)を罵(ののし)りたい思いと、意外な場所で彼らに近づいた喜びが、交互に胸に去来する。ただ、彼らは知尊(ちそん)を仲間に引き入れてどうするのか、と不審を抱いた額田に、「そこでお尋ねしますが」と知尊は続けた。

「私はいったい、どうすればいいのでしょう。福夫さまは倭(わ)に礼を尽くす余(よ)将軍と袂(たもと)を分かち、善光さまを国王として、この国の中に新たなる百済(くだら)を築こうとお考えのようです。幸い、倭は島が多い国。西国にも内水の南にも、一国に相応(ふさわ)しい島はありますからね。そして事によっては、飛鳥にお越しの唐使を人質となし、倭に自らの要求を呑(の)ませよう、とも」

 なんですって、と小さく叫んでから、額田は両手をはたと胸の前で組んだ。そうか。四比福夫が密(ひそ)かに畿内に戻った理由は、これだ。

この記事は有料記事です。

残り762文字(全文1137文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 24歳兄が妹・弟を包丁で刺す 犯行後飛び降りか、兄は死亡 東京・東村山

  2. 大阪・梅田HEP FIVEで高校生転落し死亡 路上の19歳巻き添え意識不明

  3. 愛子さまが学習院大に初登校 新入生向けガイダンスに出席

  4. #排除する政治~学術会議問題を考える 行革や効率性で「文句を言う人」飛ばす怖さ 菅政権の新自由主義 重田明大教授

  5. 「優しく温厚。成人式で会えると…」 大阪・巻き添え死 女子学生の友人が涙

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです