メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

「また逢う日まで」「さらば恋人」「木綿のハンカチーフ」…

[PR]

 「また逢う日まで」「さらば恋人」「木綿のハンカチーフ」――自分の気に入っている曲という。作曲家の筒美(つつみ)京(きょう)平(へい)さんである。挙げるべき曲名を書けば小欄がすぐいっぱいになるから、この3曲を挙げておく▲何しろ1971年から87年にかけて実に10回にわたり作曲家別年間レコード売り上げ1位を記録した筒美さんである。作曲作品の総売上枚数7560万枚は日本の歴代作曲家最多となる。まさしく希代のヒットメロディー作家だった▲60年代後半から人々の思い出や世相と結びつき、時代の記憶を結晶させてきたそのメロディーの数々である。だが作曲家その人はメディアにも登場せずに裏方に徹し、今の音楽界の「アーティスト」たちとは対照的な生き方を貫いた▲ペンネームは平らかに響く鼓(つづみ)の意を込めた鼓響平を左右対称の漢字にしたという。「平らか」には、多くの人の心に響くという願いがうかがえる。レコード会社に勤務していた当時、すぎやまこういち氏に師事して始めた作曲だった▲「日本歌謡会社」。筒美さんは日本音楽著作権協会のインタビューで70年代の楽曲作りをそう表した。作曲、作詞、編曲、販売のチームワークが、目標売上枚数達成へと渦を巻いたという。自ら「職業作家」を名乗った筒美さんである▲「昭和歌謡」という言葉を令和に入って頻繁に耳にするようになり、筒美さんのメロディーを耳にする機会も増えたような気がする。時代に寄り添い、時代を作り上げた「職業作家」のみごとな生涯だった。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 社民・福島党首「党大会すべきでない」 幹事長「招集済み」 立憲合流巡り混迷深まる

  2. NHK、総務省提案の受信料義務化に慎重姿勢 「支払いは視聴者理解のもと」

  3. 菅首相、韓国の差し押さえ資産現金化「極めて深刻な事態招く」 元徴用工問題

  4. 「倒れそう」と職員悲鳴 接触確認アプリで保健所に電話殺到 なぜパンク寸前に?

  5. 「はじめの一歩」船田元 「イエス」だけで固めるなら学術会議の価値がなくなる

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです