一般社団が確保する「表向きの透明性」 予算監視の「隠れみの」になる実態

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電通関連の企業や社団法人が多く入居する恒産第3ビル=東京都中央区で、高橋祐貴撮影
電通関連の企業や社団法人が多く入居する恒産第3ビル=東京都中央区で、高橋祐貴撮影

 国から一般社団法人への予算の支出のうち、突出して多い事業を受託している環境共創イニシアチブ(SII)。設立したのは、新型コロナウイルス禍の持続化給付金を執行した「サービスデザイン推進協議会(サ推協)」の設立にも関与した電通だ。なぜ電通は国から直接受託せず、一般社団法人を経由させるのか。「見えない政府」は適正に補助金を執行しているのか。

 高級店が軒を連ねる東京・銀座。東銀座駅から徒歩5分、10階建ての黒塗りのオフィスビルが見えてくる。「恒産第3ビル」(旧電通恒産第3ビル)。持続化給付金の再委託先となった電通子会社のほか、環境共創イニシアチブ(SII)など電通が設立に関与した一般社団法人が入居する。子会社の社員がビルを指さし、指摘した。

 「ここが『見えない政府』だよ」

 SIIが設立されたのは2011年。背景には「小さな政府」路線を掲げて歴代政権が進めてきた行財政改革があった。01年に独立行政法人が誕生し、小泉政権の「聖域なき構造改革」は多くの特殊法人にメスを入れ、特別会計を整理。旧民主党政権下では「民にできることは民」の流れが加速し、独法が執行する事業も廃止や縮小となった。

 SII設立の決め手となったのは09年11月の「事業仕分け」だった。状況を知る当時の閣僚経験者や経済産業省幹部によると、「仕分け」によって補助金給付業務の民間移譲が原則化したことで、経産省は独法に代わる新たな補助金の「配り手」探しに奔走。水面下で電通など複数の企業に補助金事業の執行主体となれないか協力を打診した。その際、補助金を執行できる法人としてSIIを設立する相談を受けたといい、経産省幹部は「補助金の配り手がいなくて執行できないという事態はあってはならなかった」と振り返る。

 なぜ、電通ではなく、わざわざ社団法人を設立して事業を受託する必要があったのか。

 電通側で法人設立を担当したのは、官公庁の委託事業などを担当する「第15営業局」(現パブリッ…

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