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社説

Go To事業の混乱 責任自覚し制度の改善を

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 政府の打ち出した消費喚起策「Go Toキャンペーン」事業が迷走している。

 宿泊料が最大35%安くなるトラベル事業では、一部の宿泊予約サイトが突然、割引額を縮小した。

 予約サイトは、国から配分された資金を使って旅行代金を割り引いている。東京が割引対象となった10月から利用が急増し、配分済みの資金では足りなくなる可能性が一部で生じたという。

 しかし、事前の説明がないままの一方的な引き下げで、消費者や宿泊施設に混乱をもたらした。利用者への配慮を欠いた軽率な判断だったと言わざるを得ない。

 批判を受け、赤羽一嘉国土交通相は追加の予算を事業者に配分すると表明した。

 そもそも、トラベル事業には総額1兆円を超える予算を計上している。まだ7%程度しか使われておらず、十分に余裕がある。

 あらかじめ利用状況を把握し、機動的に対応していれば防げたはずだ。

 事業を適切に運営管理する職務を怠った政府の責任は重い。事業運営のあり方を再点検すべきだ。

 予算の執行状況や効果を、責任を持って見極めなければならない。委託先の民間事務局に任せきりの姿勢は許されない。

 トラベル事業を巡っては、割引額が大きくなる高級な宿泊施設に利用が偏ったり、高所得者ほど恩恵を受けやすかったりといった問題も指摘されている。

 中小事業者が置き去りにされては、地域経済を下支えする効果は限られる。割安な宿泊施設の利用を促す対策を講じるべきだ。

 ほかにも、飲食業界支援のイート事業で不適切な利用方法が横行した。

 グルメサイト経由の予約で外食すれば、次の支払いに使えるポイントを得る仕組みだが、付与されるポイントより少額の注文をして差額を稼ぐ手法が問題となった。

 飲食店には、原価に加え、グルメサイトへの手数料負担が生じる。少額の利用ばかりでは収益が悪化し、逆効果になる。

 公費を扱う以上、公正さと公平感への配慮は欠かせない。一部の利用者や事業者ばかりが得をするような制度の欠陥は、ただちに改める必要がある。

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