本局が紙面に掲載されるころにはすっかり秋めいているかもしれない。ただ3回戦皮切りの一局となった本局が行われたのは、まだ酷暑が続いていた9月2日のことである。対局場は関西将棋会館「御上段の間」。新型コロナウイルス対策として換気をよくするために窓が開け放たれ、夏の外気とともになにわ筋を走る車両のエンジン音や、東海道線の電車音も対局室に入ってくる。
互いに角道を開け、飛車先を突き合うオープニングで、糸谷が4手目の[後]8四歩を指すと、羽生はさっそく上着を脱ぎ、次いで糸谷もこれにならった。両対局者ともに半袖のワイシャツ姿になりいよいよ戦闘開始という雰囲気が対局室に漂う。
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