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静岡県、湧水の「全量戻し」譲らず リニア工事巡り、JR東海に対策要求 

難波喬司副知事=静岡県庁で2020年10月7日、山田英之撮影

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 未着工のリニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区を巡り、静岡県は工事による環境影響に対する考え方をまとめた文書を公表した。JR東海に対して、掘削でトンネル内に湧き出る水を県内に全て戻すように求める「全量戻し」の要求は継続する。県は「どのくらいの量の湧水(ゆうすい)が発生するのかを明確にすべきだ。対策を考える前提として全量戻しは譲れない」と主張する。【山田英之】

 8月に開かれた国土交通省の第5回有識者会議で、JR東海はトンネル掘削案を提示した。湧水を県外に流出させない対策として3案を検討したが、いずれも「実現は極めて困難」と結論づけた。湧水の県外への流出は避けられず、「県外流出する総量を極力、減らす対策を取る」と説明する。

 座長の福岡捷二・中央大研究開発機構教授は会議後、「湧水の流出に関して議論を行い、JRから示された工法は現実的であろうという意見もあった」としつつ、「一定量の湧水が流出することから、大井川中下流への影響について、さらなる検討を進めるようにJRに要請した」との談話を発表した。

 一方、県は今月7日に「リニア建設の環境影響における考え方」をテーマにした文書を公表。大量の湧水が県外に流出する恐れがあり、大井川の水利用や南アルプスの自然環境に与える影響は大きいとの見方を示した。JR東海に対して、湧水の全量を戻せないことを前提にせず、「全量戻しを前提に対策を考えるべきだ」と要求。「湧水が県外に流出すれば、大井川水系の水の総量は減る。水資源に影響は出る。ゼロリスクはあり得ない」と主張した。

 また、国交省の有識者会議で、河川流量の変化を予測した「水収支解析」に基づいて説明するJR東海に対し、県は「地下水の変化を推定する解析の精度は高くない」との指摘を続けている。県中央新幹線対策本部長の難波喬司副知事は「トンネル湧水量が分からないのに『大井川への影響はゼロ』と言うのは、論理が矛盾している。根拠も分からない。大井川流域の水の総量を減らさない前提でJRは対策を考えてほしい」と提案した。

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