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デジタルVS

バーチャルタレント 20年以上向き合った「人間の魅力」 コロナも追い風に

ティックトックで動画を配信する伊達あやの。雑学を日々投稿している=宮崎稔樹撮影

 人間さながらの容姿を持ち、なめらかに話すこともできる「バーチャルヒューマン」が身近な存在になってきた。ファッションモデルや芸能タレントとして起用する企業も増えている。先端技術を使えば、外見上の美しさを人工的につくることができるようになった中、それでも最後に残る人間の魅力は何なのか。現状に迫った。【宮崎稔樹】

 「ブラジルの首都はどこ?」「世界地図分からん……。ブラジル」「正解はブラジリア」。インターネット上でこんなやりとりをしているのは、大手芸能タレント事務所「ホリプロ」の子会社が2018年に発表したバーチャルタレントの「伊達あやの」だ。人気動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」などでコミカルに雑学を披露したり、日々の出来事を投稿したりしている。

 コンセプトは「隣のクラスの人気者」。朝には「おはのん」とツイッターに投稿し、雨が降れば「今日の雨やばいよ」とつぶやく。ティックトックのフォロワーは2万人以上に上り、20~30代を中心に熱心なファンがついているという。現在は声優の女性が発声を担当しているものの、将来的には人工知能(AI)を搭載し、一人一人のファンに違った反応ができる「あなただけのタレント」にする検討も進めている。

 理想のタレントを人工的に作る――。こうした試みは、20年以上前に始まっていた。世界初のバーチャルタレントを生み出したのは、同じホリプロだった。1996年にデビューした16歳の「伊達杏子」。伊達あやのはその娘という設定だ。

 当時は前年発売の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ95」でインターネットに触れる人が増えた時期で、「疲れず、口答えせず、多メディア時代に対応できるタレントを作る」ために出発した。現在の堀義貴社長を中心に発足した計10人ほどのプロジェクトチームは、高いコンピューターグラフィックス(CG)技術を持つ外部企業の協力を得ながら、億単位の資金を投じて開発を進めた。

 だが、そこで開発陣が向き合うことになったのは「人間の魅力とは何か」という問いだった。

 最初の試作品として出来上がったのは、人形のような…

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