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「中村哲さん手本に」アフガンの若者、平和への歩み 日本のNGOも支援

アフガニスタン東部ナンガルハル州で平和に向けて取り組む若者ら=YVO提供

 紛争が続くアフガニスタンで、若者たちが身の回りから始める平和構築の取り組みを準備している。長年アフガン支援を続けたが昨年末に殺害された中村哲医師(当時73歳)を「ロールモデル(手本)」と敬う人もいる。平和を語ることにすら命の危険がある戦乱の中で生まれ育ち、近しい人々も失ってきた若者たち。日本のNGOの支援を受けて「戦いのない未来」に向けたあゆみを始めている。その思いを聞いた。【和田浩明/統合デジタル取材センター】

 「親しい友人でしたが、殺されてしまって……」。アンズールさん(28)はそう話すと下を向き、涙を拭うように指先で目頭を押さえた。

 アフガン東部ナンガルハル州ジャララバードにある地元NGO「ユア・ボイス・オーガニゼーション(YVO)」のオフィス。平和に向かう機運を醸成しようと企画した戦災孤児の支援事業を、インターネット経由で東京の記者に説明してくれていたさなかのことだ。

 亡くなった友人はマヒルさん。ナンガルハル州南部のパチェラガムで平和活動に取り組んでいたが、2019年3月、過激派組織「イスラム国」(IS)と見られる勢力に殺害されたのだ。

 「彼も狙われたが、近くの店に入って難を逃れたんです」。涙をこらえるアンズールさんの肩を抱くようにして、YVOを率いるサビルラ・メムラワルさん(44)が説明してくれた。

 サビルラさんは、かつて反政府勢力タリバンの支援者だった。今は平和構築活動に取り組む。この活動に共鳴する「サビルラ・チルドレン」と言えるのがアンズールさんたちだ。数十年も続く政府側とタリバン、ISなどが絡む紛争で疲弊した自らの村や近隣地域で「未来を前向きに考えられるメッセージを広めたい」(アンズールさん)と意気込む。

 彼らの活動を日本から支援するのはNGO「平和村ユナイテッド(PVU)」だ。代表理事の小野山亮さん(51)は、日本国際ボランティアセンター(JVC)でアフガンでの平和構築支援事業を担当。この縁でサビルラさんらとつながった。

 今回、戦災遺児支援のほか、平和のメッセージを伝えるランニング▽紛争で中断した伝統的格技の復活▽家庭内の平和に関する本を読み討論するブッククラブ――の合計4件の「ピースアクション」を、ナンガルハル州内4地区の青年4人を含む住民らが発案。PVUが必要経費を集めるため、インターネットのクラウドファンディング(https://syncable.biz/campaign/1273#)を10月22日まで実施中だ。

 小野山さんは「アフガンの人たち自身の発案で、平和を目指す取り組みであることを尊重している」と話す。

 現在、アフガン政府とタリバンは和平交渉中だ。しかし戦闘は各所で続いており、ナンガルハル州では3日に行政施設を狙った自爆攻撃が発生した。少なくとも13人が死亡、数十人が負傷し、グテレス国連事務総長が非難声明を出している。

 小野山さんやサビルラさんによると、アフガニスタンでは平和を訴えることにすらリスクがある。戦っている勢力への反対や批判と捉えられかねないからだ。外国との協力も、疑いの目で見られる場合があるという。

 伝統格技の行事を発案した、ジ…

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和田浩明

1991年4月入社。英文毎日編集部、サイバー編集部、外信部、大阪社会部を経て2003年10月から08年3月までワシントン特派員。無差別発砲事件、インド洋大津波、イラク駐留米軍や大統領選挙を取材。09年4月からはカイロに勤務し、11年1月に始まった中東の民主化要求運動「アラブの春」をチュニジア、エジプト、リビア、シリア、イエメンで目撃した。東京での中東、米州担当デスク、2度目のワシントン特派員などを経て2019年5月から統合デジタル取材センター。日本社会と外国人住民やLGBTなどの今後に関心がある。

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