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コロナ終息の祈り、天まで届け 17日に全国でたこ揚げ 1300年前にならい

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試し揚げに使われた四神大だこ。左から白虎、朱雀、玄武、青竜=奈良市の平城宮跡歴史公園で2020年10月11日午後3時14分、加古信志撮影

 全国のたこ揚げ愛好家らが17日、コロナ禍の終息を願って一斉にたこを揚げる。天然痘が大流行した奈良時代に、平城京で疫病退散が祈願された歴史にちなみ、平城宮跡管理センター(奈良市)が企画した。1300年の時を超え、北海道から沖縄まで17道府県の22カ所で、それぞれの願いが込められたたこが大空に舞い上がる。

 新型コロナウイルスの影響でイベントの中止が相次ぐ中、センター職員の林猛史さん(43)と美術作家の森野晋次さん(50)が「みんなが前向きになれる企画を」と発案。屋外で密になりにくいことから、たこ揚げを思いついた。

試し揚げされる白虎、玄武、朱雀、青竜の四神大だこ=奈良市の平城宮跡歴史公園で2020年10月11日午後3時5分、加古信志撮影

 センターなどによると、天平7(735)年に九州で発生した天然痘は、2年後に全国で猛威を振るい、全人口の25~35%にあたる100万~150万人が命を落としたと推計されている。歴史書「続日本紀(しょくにほんぎ)」には、当時の都だった平城京で修行僧ら約200人が大極殿(だいごくでん)に集まり、回復を願う祈りをささげたと記されている。

 センターは7月から各地の愛好団体などに呼びかけ、28団体が応じた。それぞれが趣向を凝らしたイベントの準備を進めている。

試し揚げに使われた四神大だこ。手前から朱雀、青竜、白虎、玄武=奈良市の平城宮跡歴史公園で2020年10月11日午後1時43分、加古信志撮影

 平城宮跡では、和紙を使った大だこ(高さ3メートル、幅2・5メートル)を4点作った。四神(朱雀、玄武、青竜、白虎)が描かれ、当日は職人や参加者が1本のロープで操って大空にはばたかせる。林さんは「コロナ禍で人々のつながりが薄れているが、みんな一つの空でつながっていることを感じてほしい」と願いを込める。

 大阪府豊中市の「日本の凧(たこ)の会大阪」も参加団体の一つだ。代表の木村薫さん(72)は「たこには昔から鬼や太陽がよく描かれ、魔よけの意味がある。コロナ終息の願いにふさわしい」と話す。約50年の歴史を持つ同会だが、会員は高齢化し、都市部ではたこを揚げる場所も少なくなってきた。木村さんは「イベントを通じ、若い人がたこに親しむ機会になれば」と期待を寄せる。当日は大阪府寝屋川市の淀川河川公園で、会員らが作ったひし形の「土佐凧」を子どもたちと一緒に揚げる。

試し揚げに使われた四神大だこ=奈良市の平城宮跡歴史公園で2020年10月11日午後1時42分、加古信志撮影

 東日本大震災の被災地でもイベントが開かれる。東京電力福島第1原発から南へ約20キロの二ツ沼総合公園(福島県広野町)では、地元の愛好家らがたこ作り教室などを開催。主催団体の大場美奈さん(26)は「震災10年を前に、復興を続ける福島の姿を見てほしい」と話す。

全国一斉のたこ揚げに大阪から参加する木村薫さん=大阪府池田市で2020年10月6日午後3時28分、榊原愛実撮影

 17日午後2時から、各会場で参加者の願いを書いた白いたこを一斉に揚げ、専用のスマートフォン用アプリなどを通じて中継する。詳細はホームページ(https://www.minasora2020.jp/)で。【榊原愛実】

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