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サスペンスの裏に男女格差への怒り 映画「本気のしるし」公開 深田晃司監督

深田晃司監督=大阪市淀川区の第七芸術劇場で2020年9月14日、山下智子撮影

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 日仏合作の「淵に立つ」(2016年)「よこがお」(19年)など人間ドラマで定評がある深田晃司監督の最新作「本気のしるし」が公開された。主人公の男性会社員が、一人の女性との偶然の出会いから人生を転落していくサスペンス。「二人とも主体性が薄く何となく生きてきた。ただ、主人公は社会的地位があるが、女性はそれまで流されるように結婚、出産しており、状況も好転しない」と深田監督。底流には理不尽な格差に対する静かな怒りがある。

 元は名古屋テレビの深夜ドラマだが、大反響を呼んで劇場化が決定。今年のカンヌ国際映画祭で公式セレクションにも選出された。会社員・辻一路を森崎ウィン、辻が出会う葉山浮世を土村芳(かほ)が演じる。

映画「本気のしるし」で主人公を演じる森崎ウィン、ヒロインの土村芳=(C)星里もちる・小学館/メ~テレ

 星里もちるの同名漫画(2000年)が原作。深田監督が星里のファンで、自ら映像化の企画を名古屋テレビに持ち込んだ。「ラブコメディーを描いてきた星里が、ギャグも一切なく恋愛や社会での男女の非対称性に切り込んだことが衝撃だった」と振り返る。

映画「本気のしるし」の一場面=(C)星里もちる・小学館/メ~テレ

 隙(すき)や弱さがあり「男をダメにする女」として描かれるヒロインだが、その言動の裏には女性ゆえの生きづらさが見えてくる。「思わせぶりな態度を取る女性キャラは青年誌だとよくあるんです。恋愛対象としてのヒロインがいる。でも実世界なら、自分も周りも傷つけてしまう悲しい存在になってしまうんですよね」

 深田監督はこれまでも、登場人物の内面にある無意識な偏見や悪意を表現するなど、弱者への視点が光る作品を世に送り出してきた。今回の作品について「性差別への議論が深まった今、掘り起こす価値があると思った」と語る。

 東京・シネ・リーブル池袋などで9日から上映中。関西では16日から京都・出町座、17日から大阪・第七芸術劇場などで公開。深田監督は17~18日に関西、愛知の劇場で舞台あいさつも行う(詳細は各劇場)。【山下智子】

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