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エンタメノート

新作落語の新時代築いた 三遊亭円丈師匠の衝撃作「肥辰一代記」

三遊亭円丈さん=毎日落語会で、山口政宣撮影

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 三遊亭円丈(えんじょう)さん(75)は、東京の新作落語の大御所。掛布雅之さんと、蚊取りマットのCMに出演していたのを覚えている方もいるかも。でも、蚊取りマットも今では液体が全盛で、ずいぶん前のこと。

 東京落語の円丈さんと、数多くの作品を作り続け「創作落語」と呼ぶ桂文枝さん(77)が、現在の東西の新作落語のけん引役。その仲間や後輩たちが新作の世界を個性的に、さらに広げてきた。

 落語のネタは大ざっぱに分ければ古典と新作。でも、古典だってもともとは新作だったわけで、新作も語り継がれるようになれば、いつかは古典と呼ばれるかもしれない。

 「やっぱり落語は古典だな」なんて風潮もかつてはあったけれど、円丈さん、文枝さんといった、「逆風」に立ち向かい、新作にこだわる落語家がいたからこそ、今の落語界はバラエティーに富み、層の厚さをもたらしている。

     ■

 東京の落語イコール江戸落語、と使う人がいる。江戸、と言えば格好良く聞こえるのだろうけれど、それでは現代をテーマにした落語も江戸落語、ということになり、おかしいことになる。

 落語の紹介や評論も、ついつい「明烏(あけがらす)」とか「芝浜」とか、古典の名作を取り上げがち。女性客が増えているのはありがたいことだけれど、廓噺(くるわばなし)を取り上げることが最近減った、という師匠も、そういえばおられた。それは困ったことだ。

 新作を手掛けてきた落語家は、見えない壁と言えばいいのだろうか、信念を持って闘い続けてきたに違いない。

 「実験落語」を立ち上げ、新作落語の世界に「円丈以後」と呼ばれる新たな時代を作った円丈さん。中でもこの作品は自他共に認める代表作のはず。その題名は「肥辰(こえたつ)一代記」。「汚穢屋(おわいや)」になりたくて肥辰に入門した若者が、修業を重ね、肥辰を襲名するまでの爆笑成長記。

 テレビでは見られないネタだからこそ、人間の本質をとらえた噺でもあり、初めて聴いた時は衝撃的だった。

 年齢を重ねると、誰でも体力、記憶力が衰える。円丈さんも記憶力が衰えた。落語家としては大変厳しいことなのだが、ネタのように新しい手法を円丈さんは思いついた。ネタ帳やタブレットを使うことで乗り切ってきたのだ。

 そんな円丈さんが「肥辰一代記を聴く会」を開く。円丈さんは「これを逃すと二度と聴けないかも」とコメントしているから、これはなんとかしないと。

 第18回落語ぬう「円丈の『肥辰一代記』を聴く会」は17日午後6時、お江戸日本橋亭。三遊亭円丈、柳家小ゑん、古今亭駒治。予約2500円、当日2800円。詳しくはツイッター@mugenrakugoへ。【油井雅和】

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